tiny love
小さな愛
小さな愛?
いやいや、私の愛はビッグですよ?
でも人によっては小さく見えるのかなぁ
だけど小さくても無いよりはいいですよね
まあ、大きいに越したことはないとは思いますよ?
ただ、はじめは小さくても、だんだん大きくなっていくことだってあると思うんです
ほら、あの時あなたがちょっと面白そうだと思って見たアニメ
思ったとおり自分好みだったあのアニメですよ
視聴途中の愛と全話見終わったあとの愛
絶対大きさが違うでしょ
その後原作も買っちゃったりして、愛がさらに大きくなったりね
つまり、何が言いたいかというと、私の愛は伸びしろがある!
これからどんどん愛を大きく、深くしていきたいと思います!
tiny loveをbig loveへ成長させていっちゃいますよ!
というわけで、私の愛に好ご期待!
うら
うら
うら
うら
おもてなし
クソッ、また負けた
もう30万使ってんだぞ
イカサマをしてるんじゃねえだろうな
ま、してたところで立場的に追求はできねえ
そんなことをしたら出禁だ
イカサマだろうと俺は出禁にはなりたくねえから、黙って賭けるのさ
魂をギャンブルに捧げちまっちゃあ、もう抜け出すなんてのは無理だ
だから俺は狂ったように、気が済むまで金を賭ける
借金はしてねえが、そのうち手を出すかもな
金を貸すのはここで賭場を運営してるところだろう
そんなとこから借金をしたらどうなるか?
それを考えちゃあギャンブルなんぞできねえよ?
もう俺は戻れねえんだ
なら、行くとこまで行くしかないわけよ
だからまだまだ賭けるぜ
うら
うら
うら
うら
おもてなし
あー、こりゃあやられてるな
今日は当ててほしくない事情があるのか?
まあいいや、今日のところはこのくらいでやめておくか
ん?
なんだなんだ?
やべ、警察が来やがったのか
あー、もう捕まるじゃねえかよ
でもその割に俺、すげえ冷静だなぁ
なんでかなぁ
しっかし今日で賭け納めか
だがこれでよかった、のかもな
つっても更生できんのかぁ?
それはこれからの俺次第か
ギャンブルからおさらばして、今度は人生のおもてを出したいもんだぜ
邪竜よ
私は貴様を討ち滅ぼすことはできなかった
だが、まだ敗北はしていない
確かに貴様は強い
私では勝つことはできないだろう
しかし、貴様を倒すことができればそれでいいのだ
私の肉体はもうじき滅びる
ならば、私の体を巡る消えない焔は、私を慕う人間たちに託そう
私の力を人に継承すれば、肉体が耐えきれず崩れ落ちてしまう
だが、私の選んだ何名かに分けて与えれば、強力な戦士となるだろう
その時こそ、貴様の最期だ
戦士たちは貴様を討ち、勇者と呼ばれるようになる
人間の平穏は、人間自身の手によって守られるのだ
……さあ、人よ
私の力をその身に宿せ
聖竜よ
さらばだ
いかにそなたが強き意思を以て我に向かおうとも、その焔は届かぬ
消えない焔など存在しない
我の絶対なる破壊をもたらす嵐の前では、いかなる存在も無力
だが、勝てぬと理解しながらも我との戦いに臨んだこと、賞賛に値する
ゆえにせめてもの情けだ
穏やかに逝けるよう、苦痛は与えず死をくれてやろう
そなたの強き魂は、我の心に深く刻まれるであろう
そして、聖竜が力を継承した人間たちよ
与えられたそなたらの力、存分に振るうが良い
我は一切の慈悲も与えず、全身全霊で滅ぼそう
それにより我が望みは達成される
……さあ、人よ
我の力をその身に刻め
常に頭の中にある、終わらない問い
岐路に立たされた時、何かを生み出す時、問題を解決する時
問いというものが無くなることはない
なぜなら、問いを持たなければ前へ進めないからだ
とはいうものの、いっつも問いの答えを探していたら疲れるし、面倒くさいよね
考えるのもほどほどにしないと、ストレスで心身に不調が出る
これはマジでそう
ということで、今日は遊園地へ来てみた!
面倒なことは考えず、何を体験するかっていう楽しいことだけ考えよう
友達?
あぁ、いないいない
いやいや、ここにいないって意味で、友達そのものはいるよ?
みんな遊園地に興味ないだけで
ぼっち遊園地が楽しいのかって?
逆に聞こう
複数人でなければ楽しめないというのは、先入観だと思わないか?
むしろひとりだからこそ、気を使わずに好き放題乗りたいアトラクションを楽しめる
友達と一緒に大好きなアトラクションを3回連続で乗れますか?っていう話だよ
乗りたくないアトラクションで、友達がエンジョイしているさまを黙って見ていられますか?っていう話でもある
確かに、以前はぼっち遊園地の是非について自問自答したよ
でもね、それこそ終わらない問いだったよ
いくら考えても答えは出ない
いや、出たところでろくな答えにならないと思うね
大切なことは、楽しいか、楽しくないか
それでいったら、間違いなく楽しい
というわけで、次は水に乗り物がダイブするやつに3回連続で乗るぞー!
ヒャッホー!
揺れる羽根を全身で感じながら、俺は飛ぶ
この姿になってしばらく経つが、俺の飛行能力も高くなったもんだ
悪い魔女にカラスの姿にされてからだいぶ練習したからな
なにが実験だコノヤロー
勝手に人を実験台にするんじゃない
しかも解除条件が真実の愛って……
言っとくが俺は恋愛感情を持たない人間なんだぞ
つまり一生カラスだ
ふざけやがって
いや、そんなことは今はどうでもいい
薬だ
医者から預かったこの薬を、さっさと届けなければならない
かなり緊急事態だ
突然、あの子の病状が悪化してしまった
翼を怪我した俺を助けてくれた子だ
今は重めの病気で治療を受けている
こんなに早く悪化するとは、俺も医者も驚きだった
医者が家にたどり着くまで待ってられないので、俺が飛んで薬を届けている
俺はカラスになったことに初めて感謝した
あの子が死ぬような事態には絶対にならないようにしなければ
ようやくあの子の家についた
いつもの空路が恐ろしく長く感じる
親に薬を渡し、俺も家の中へ入れてもらう
苦しそうな顔をしているな
親は手早く準備して薬を飲ませた
まだまだつらそうにしているが、少しは楽になったようだ
遅れて医者がやってくる
油断はできないが、ひとまず大丈夫だろうとのこと
親はホッとした様子だ
俺もホッとした
その時、俺の心の中でなにかが動き始めるのを感じた
はっきりとはわからないがなんとなく、人に戻るための愛というやつに、指先だけ触れられたような、そんな感覚になった
真実の愛、か
そうだな
恋愛や、伴侶をつくるだけが愛ではない
俺はこの子に、いつの間にか親のような目線の愛を持ったのかもしれない
この子と交流を続けていけば、いつかは人間に戻れるだろうか
だったらそのためにも、早く元気になってもらわなければ