ストック1

Open App
5/15/2025, 10:31:29 AM

光輝け、暗闇で!
うおおおおおお!
レバーを回しまくるぞ!
しかし腕が疲れる!
停電したので俺は懐中電灯を探したが、見つけたそれは電池切れ
電池自体も在庫切れ
そうして見つけたのは災害用のラジオ付き電灯
しかし、これはレバーを回して発電しなければ使えない!
充電できても長くは保たず!
だが、今の俺は体を鍛えたい気分だ!
特に腕を!
なので好都合!
どりゃああああああ!
……しかし流石に疲れたな
少しの間ラジオでも聴いて休もう

『5分筋トレチャレンジー!』

ちょうどなにか始まった

『このコーナーでは、5分でできる簡単な筋トレを紹介
みなさんも、私の解説に合わせてやってみてください』

ああ、これでは休むどころではない
疲れている上、暗闇の中で筋トレするのは危ないが、これもなにかの縁
やらないわけにはいかないな
疲れた腕を奮い立たせ、ラジオの声に合わせて筋トレ開始!
筋トレを頑張る俺よ、光輝け、暗闇で!
きっと丈夫な体になるぞ!

5/14/2025, 11:08:56 AM

私が幼い頃の話
友達が私のところへ来て、すごいことを知った、と言いあることを話した
親戚の人に聞いたらしい

「酸素って毒なんだって!
たくさん吸い込むと大変なんだよ!」

その時の私は一応、酸素は空気の中にあるもの、くらいの認識だが知ってはいた
そして、嬉々として報告してきた友達の言葉に、青ざめた
普段から毒を吸いまくってると思ったからだ
混乱する私
目の前の友達はなんでこんなに平気でニコニコしていられるのか
自分だって酸素を吸い込んでるのに
私は毒を吸わないように、息を止めた
これ以上毒を吸い込みたくなかったからだ
当然、息なんて止めたら苦しくなる
我慢したけど、苦しくてすぐに呼吸を再開した私は、どうしていいかわからなくなり、泣き始めてしまったのだった
突然息を止めたと思ったら泣き出した私を見て、友達はわけもわからずただひたすらオロオロするしかない
しかし、私の家が近くだったので、ハッとして慌てて私の母を呼びに行き、母は心配そうにやって来た

「酸素が毒だから、息止めたけど、苦しくなって、息しちゃってぇぇ」

泣きじゃくる私を落ち着かせるのに、母はかなり苦労したらしい
母から、呼吸くらいなら毒にならないから大丈夫だと教えられ、友達は悪くないのに謝って、それでもしばらく涙を流し、ようやく泣き止んだ私は、母とともに友達を家まで送ってから帰った
たぶん、赤ちゃんの頃を除いて、あれほど泣いたのは今までであの時だけだと思う
あの時は本当に怖かった
子供の頃って、そういう勘違い泣きってあるよね
あなたにもそういう思い出って、ある?

5/13/2025, 11:33:52 AM

私の記憶の海は、もっとこう、青くなかったかね?
なんだいこの血のように赤い海は
赤潮とかいうレベルではないじゃあないか

「お前は生前の行いが悪かったので、地獄に堕ちたんだよ
ここは地獄の血の海さ」

私はそんなに悪いことをしてきたつもりはないが、まぁいい
もうあの美しい海が見られないとは、少し寂しくはあるな
昔見たカスピ海は、それはそれは綺麗な海だった

「カスピ海は湖だ」

なに、そうなのか?
海と言っているのに?
なんてことだ
生涯その事実を知ることがなかったのか、私は
湖であるというのは、有名な話かね?

「とても有名だよ」

地獄で無知をさらしてしまったな
恥ずかしすぎてある意味地獄だよ

「ところで、俺は地獄の鬼だから、血の海しか見たことがないんだ
現世の海ってやつは、そんなに綺麗なものなのか?」

ああ、とても美しいよ
場所によって鮮やかなブルーたったり、透き通っていたりしてね、一度は見たほうがいいよ
君もいつか、現世に行けるといいね

「地獄の鬼にそんな事を言うやつは、お前くらいだな」

変わり者ではあるかな
私はよく変人クソ野郎と罵られた人生だったね

「ひどい言われようだな
一体何をやらかしたんだ?
悪いことをしてきたつもりはないとは言ったが、思い当たる節はないのか?
そうそう地獄になんて堕ちないぞ」

うーむ、強いて言うなら、趣味で罪なき人々から金を騙し取り、恵まれない人々に寄付をしたことかな

「悪質すぎるな
汚い金を綺麗な用途で使っている所がよけいにクズすぎる
しかも趣味ときた
間違いなくそれが原因だ」

でも、楽しい人生だったから、地獄に堕ちたとて後悔など無い
ただ、怨恨で私を刺し殺した男には会いたくないから、彼が死んだら天国へ行ってほしい

「たぶん、向こうも会いたくないと思うぞ?
しかし後悔がないとは、幸せなやつだな」

……いや、考えたら後悔はあったな
私はずっと内陸で生きてきたからね
生の海をこの目で見たかった

「ん?
何を言ってるんだ?
美しい海を見てきたんじゃないのか?」

見てきたよ
写真や番組、動画サービスなどでね
最近は画質が素晴らしいから、その場に行かなくても美しい海が見られる
だが、生の迫力はすごいだろうな
……私は一言も嘘は言ってないよ?

「……お前は地獄に堕ちるべくして堕ちたんだろうな」

さぁて、せっかく地獄に来たんだ
存分に楽しむつもりだよ私は

「……誰か、こいつに地獄の苦しみを味わわせてくれ」

5/12/2025, 11:10:28 AM

魔獣の王と人々から恐れられたこの私が、たったひとりの人間の子供のために、かつての同胞たちと戦うことになるとは、世の中わからぬものだ
魔獣の天敵である精霊の中でも、頂点の一角と言われる存在が宿ったせいで狙われることとなったその子供は、平穏を望み、魔獣との戦いなど望まず、むしろ仲良くなりたいなどと言う、心優しい子だった
あの精霊も、しっかり考えてから人に宿ってほしいものだな
この上なく居心地がいいのです、ではない
それはそうだろう
あんなに優しい子はそうそういない
とても優しい心の持ち主なのだから、そういった心に惹きつけられる精霊にとって最高の宿主なのも当然
問題は、精霊があの子に馴染むまでの間、眠りについてしまったことだ
戦う力を持たない子供に勝手に宿っておいて、守りもせずに眠りこけるなど無責任であろう
放っておけばあの子は必ず魔獣に襲われる
だから、私があの子を守らねばならぬ
傷つき、倒れていた私を助けてくれたあの子を
私を恐れず、友のように接してくれたあの子を
たとえ全魔獣を敵に回したとしても、裏切り者と蔑まれたとしても、私は守り切るぞ
心優しき私の友よ
ただ君だけのために、私はこの天地を震わせる王の力を、余すことなく行使しよう

5/11/2025, 11:11:17 AM

地空族は、未来予知能力を持つ種族であり、また、発明家も多かった
彼らはある時、地上が眩いほどの光りに包まれ、人類が滅亡する未来を見た
他の生物は何事もなかったかのようにそこにあり、人間だけが忽然と姿を消す
地空族のリーダーは、我々人類が、神の怒りに触れ、神罰を与えられるのだと告げた
滅亡を回避するため、地空族は空を飛ぶ船の開発を急いで開始する
できる限りの人々を船に乗り込ませ、人類を存続させるために
作られた船は、未来への船と名付けられ、地空族は、人々の未来を守るため、世界に向けて自分たちの未来予知の内容を話した
だが、前回地空族の未来予知が発動したのは、実に500年前
伝承でのみ語られる能力に、他の人々は疑いの目を向けた
結局、誰も彼らの話は信じず、地空族は無力感の中、自分たちだけで未来への船に乗り込んだ
それから少し経ったある日、地上は予知通り、眩い光に包まれ……空にいた地空族を除く全人類が消失した
悲しみの表情で未来への船から降りる地空族たち
彼らは絶望しながらも、残された自分たちで、新たな歴史を作っていこうと決意するのだった


とある場所にて、未来への船に乗らなかった人類たちは、気がつくとそこにいた
自分たちのいた場所よりも、かなり高度に発展した文明
信じられないほど高い建物が並び、空中には、人が乗っているらしきいくつもの塊が行き交う
元いた場所で3000万人ほどいた人類は、地空族を除いたその全員が、場所は違えど同じような光景に驚いていた
そんな中、住人であろう人々が、各地に分かれた合計3000万人に、それぞれの場所で以下のように告げた
あなた達は遠い未来へ来たのだ
あなた達の時代で言う地空族が数万年かけて築き上げた文明が、今目にしている光景だ、と
どうやら地空族は未来予知によって、過去からたくさんの人々が現れるこの事態を知ったらしい
混乱する人々だったが、地空族の丁寧な説明で落ち着きを取り戻していった
なぜこんな事が起きたのか
それは、かつて地空族が予想したような神罰などではなく、宇宙で星の位置が特定の並びになったことによって起きた大災害の一種だという
また、この大災害は、地上にいてなおかつ特定の生物(地空族はDNAがどうだとか言っていた)にしか降りかからないそうだ
未来への船に乗った地空族ではなく、乗らなかった他の人類が、大災害に巻き込まれ、未来への旅をすることとなったというわけだ
事態がまだ飲み込めていないが、地空族はそんな過去の人類たちを温かく迎えた
過去の人類たちはそれだけで少し安心感を覚える
これから、未来へ送られた過去の人類の、新たな生活が始まるのだ

Next