私が幼い頃の話
友達が私のところへ来て、すごいことを知った、と言いあることを話した
親戚の人に聞いたらしい
「酸素って毒なんだって!
たくさん吸い込むと大変なんだよ!」
その時の私は一応、酸素は空気の中にあるもの、くらいの認識だが知ってはいた
そして、嬉々として報告してきた友達の言葉に、青ざめた
普段から毒を吸いまくってると思ったからだ
混乱する私
目の前の友達はなんでこんなに平気でニコニコしていられるのか
自分だって酸素を吸い込んでるのに
私は毒を吸わないように、息を止めた
これ以上毒を吸い込みたくなかったからだ
当然、息なんて止めたら苦しくなる
我慢したけど、苦しくてすぐに呼吸を再開した私は、どうしていいかわからなくなり、泣き始めてしまったのだった
突然息を止めたと思ったら泣き出した私を見て、友達はわけもわからずただひたすらオロオロするしかない
しかし、私の家が近くだったので、ハッとして慌てて私の母を呼びに行き、母は心配そうにやって来た
「酸素が毒だから、息止めたけど、苦しくなって、息しちゃってぇぇ」
泣きじゃくる私を落ち着かせるのに、母はかなり苦労したらしい
母から、呼吸くらいなら毒にならないから大丈夫だと教えられ、友達は悪くないのに謝って、それでもしばらく涙を流し、ようやく泣き止んだ私は、母とともに友達を家まで送ってから帰った
たぶん、赤ちゃんの頃を除いて、あれほど泣いたのは今までであの時だけだと思う
あの時は本当に怖かった
子供の頃って、そういう勘違い泣きってあるよね
あなたにもそういう思い出って、ある?
5/14/2025, 11:08:56 AM