(先日のお題の投稿を忘れたため、投稿します。)
ー何でもないフリー
私の片想いは、今日、突然終わりを迎えた。
この頃、ゲームを一緒にやりながら通話をしている彼。
恋のことや、旅行や飼い猫のことなど、色々話すが、確信をついた話をしない仲だった。
彼を知り始めたばかりなのに、何故か心惹かれる気持ちが止まらない。
そして今日、突然告げられた。
「実は俺、嫁が居るんだよね。」
いつも彼は、猫が恋人だなんて言ってるから、どうせふざけてるだけだと思った。
猫が恋人って…。前に言ってたのに。
そして、
私はもう既に、貴方に恋をしてしまったのに。
その後何を話したかは覚えてない。
私はただ、何でもないフリをしながら、笑ってた。
冴えない頭で、『また遊ぼう』、と言って通話を切った。
電話を切った途端、滝のように涙が溢れた。
ああ、
私の恋、終わっちゃった…。
こんなに大切に温めていた想いも、こうして突然終わりを迎えるんだ。
『恋』ってこんなに痛かったっけ。
だけど、それでも好きになれたことに意味があるのだろうか。
せめて、あの瞬間、彼の前で泣かなかった健気な自分を褒めよう。
結局、どれだけ涙を流しても、明日が来ることがわかっている。
この『失恋』は、私をステップアップさせてくれるんだろうか。
そして、私は私の中に誓いを立てた。
決して、彼を私の傷として扱わないことが、私の心の強さの象徴になるだろう。
だから、今は何でもないフリをして強く生きていく。
君を愛させてくれて、心からありがとう。
どうか、私の知らないところで幸せで居て。
光と闇の狭間で
彼が歩く道は、眩しいほどの光が当たっている。
光が強いほど、影は遠くへと伸びていく。
光と影が交わるところに、いつも彼は立っている。
いつだって、隣り合わせの光の世界と闇の世界に行ける。
そんな希望や危うさを抱えて人は生きていると思う。
彼には、思わず笑みが溢れてしまうほど幸せな日があり、
地獄の淵を掴んで溺れそうな夜があるのだろうか。
彼はその両方を、平然とした顔で背負っているような気がする。
光と闇のコントラストが深いほど、魅了されていく。
ー終わらせないでー
また後で書きます。
愛情
私はずっと愛されていたのに、気付こうとしていなかった。
父も母も、愛を言葉にするのがとても下手だった。
母は、学校に行ったり行かなかったりする私に、毎日お弁当を作ってくれていた。
父は働き詰めで、何かを買い与えることで愛を伝えようとしていた。
私が求めていたのは、「君はこのままで素晴らしい」とか、「いつまでも愛してるよ」といった言葉だった。
でも、それは両親からもらえなかった。
だけど、成長してから気付いたことがある。
愛情の表現方法は人それぞれだと。
だから、自分が欲しい愛だけを求めるのではなく、相手がどんな形で愛を向けてくれるかを見極めることが大切なんだ。
それは、忙しい中でも会いに来てくれることかもしれないし、
何かを買ってあげたいと思ってくれる姿かもしれない。
あるいは、毎日の何気ない言葉や、挨拶すらも愛情の一部かもしれない。
顔を見て微笑む、それも愛の証しだと思う。
今まで、誰かが不器用なりに伝えてくれたことや渡してくれたものには、
きっと愛情が詰まっているんだと思う。
時間差でも、今、その愛をきちんと受け取ってみよう。
そして、今、周りを見渡せば、他の誰かが作り上げたもので溢れていることに気付く。
物質的なものすら、誰かの愛情の塊だと思う。
そのことに気付くことで、もっともっと多くの愛を感じ取ることができる。
愛情を感じることで、心が満たされていく。
そして、私は今、もらった愛情をしっかり抱きしめながら、一歩一歩前に進んでいきたい。
心に蓄えた愛を周りに届けることで、少しでもその愛を広げていけたら、きっと世界はもっと愛で溢れるから。
ー微熱ー
どうせすぐに冷めてしまうんだろう。
時計の針は深夜2時を指している。
うんざりするほど、彼のことを考えていた。
何時間もの間、ベッドの上で考え込み、項垂れている自分のことが急に馬鹿馬鹿しく思えた。
思わず頭を掻きむしる。
「はぁ、なんで好きになっちゃったかな…。」
と、思わずこぼれ落ちる。
これまでの経験上、こんなに強い恋愛感情を持った時に上手くいった試しがない。
彼を気になる気持ちがどうしても止められない。
LINEを開き、
「明日の夜は暇?」と彼に送ろうと思い、震えそうな手で文章を打ってみる。
「いやいや…。急すぎるか。それに、断られたらどうしよう…。」とぶつぶつ言いながら、大きなため息をついた。
ぽん。と、スマホを布団の上に投げると、急に涙腺が緩む。
ああ、この熱を持て余してしまうのが悔しい。
「好きすぎて苦しいな。」
そんな熱に魘されるような夜を繰り返して、私は何処へ向かうのだろう。
自分の中にいる強烈な感情に振り回されてることに疲れて果ててしまった。
いい加減、歳を重ねれば、落ち着くのかと思ったのに。
微熱なため息を吐き、諦めたように、目を瞑った。
「もう、寝よう。」
感情の熱を持て余した私は、ひんやりとした冷たい夜に抱かれて眠りについた。