ー微熱ー
どうせすぐに冷めてしまうんだろう。
時計の針は深夜2時を指している。
うんざりするほど、彼のことを考えていた。
何時間もの間、ベッドの上で考え込み、項垂れている自分のことが急に馬鹿馬鹿しく思えた。
思わず頭を掻きむしる。
「はぁ、なんで好きになっちゃったかな…。」
と、思わずこぼれ落ちる。
これまでの経験上、こんなに強い恋愛感情を持った時に上手くいった試しがない。
彼を気になる気持ちがどうしても止められない。
LINEを開き、
「明日の夜は暇?」と彼に送ろうと思い、震えそうな手で文章を打ってみる。
「いやいや…。急すぎるか。それに、断られたらどうしよう…。」とぶつぶつ言いながら、大きなため息をついた。
ぽん。と、スマホを布団の上に投げると、急に涙腺が緩む。
ああ、この熱を持て余してしまうのが悔しい。
「好きすぎて苦しいな。」
そんな熱に魘されるような夜を繰り返して、私は何処へ向かうのだろう。
自分の中にいる強烈な感情に振り回されてることに疲れて果ててしまった。
いい加減、歳を重ねれば、落ち着くのかと思ったのに。
微熱なため息を吐き、諦めたように、目を瞑った。
「もう、寝よう。」
感情の熱を持て余した私は、ひんやりとした冷たい夜に抱かれて眠りについた。
11/26/2024, 2:30:31 PM