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愛情


私はずっと愛されていたのに、気付こうとしていなかった。

父も母も、愛を言葉にするのがとても下手だった。
母は、学校に行ったり行かなかったりする私に、毎日お弁当を作ってくれていた。
父は働き詰めで、何かを買い与えることで愛を伝えようとしていた。

私が求めていたのは、「君はこのままで素晴らしい」とか、「いつまでも愛してるよ」といった言葉だった。
でも、それは両親からもらえなかった。

だけど、成長してから気付いたことがある。
愛情の表現方法は人それぞれだと。
だから、自分が欲しい愛だけを求めるのではなく、相手がどんな形で愛を向けてくれるかを見極めることが大切なんだ。

それは、忙しい中でも会いに来てくれることかもしれないし、
何かを買ってあげたいと思ってくれる姿かもしれない。
あるいは、毎日の何気ない言葉や、挨拶すらも愛情の一部かもしれない。
顔を見て微笑む、それも愛の証しだと思う。

今まで、誰かが不器用なりに伝えてくれたことや渡してくれたものには、
きっと愛情が詰まっているんだと思う。
時間差でも、今、その愛をきちんと受け取ってみよう。

そして、今、私たちが暮らす社会も、他の誰かが作り上げたもので溢れている。
物質的なものすら、誰かの愛情の塊だと気付くことができる。
そのことに気付くことで、もっともっと多くの愛を感じ取ることができる。
愛情を感じることで、心が満たされていく。

そして、私は今、もらった愛情をしっかり抱きしめながら、一歩一歩前に進んでいきたいと思う。
心に蓄えた愛を周りに届けることで、少しでもその愛を広げていけたら、きっと世界はもっと愛で溢れるから。

11/28/2024, 2:28:13 AM