乱正堂

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6/10/2025, 11:28:24 AM

夜明けの窓辺に座り頬杖をつく彼

古い旅行の記念に買った
英語表記のカメラで
小さい四角の中に収める

色は褪せているけど、
その光景は今も
まぶたの裏に染み付いて離れないので
かまわない

彼はただの少年なのに
金髪慧眼、小顔、長い睫毛
その美しさが彼の全てを汚した

また声をかけてくれまいかとただ、待つ

6/9/2025, 11:16:21 AM

電車窓、一人、体揺られて
街の流れを見る。一瞬一瞬を美しいと思うのに

次の瞬間、見えるのは新しい景色と、変わらず続く電柱で、その景色はぼんやりとしか浮かばない

もう、思い出せない。

本当に、淡いもので、汚い物ばかり頭に残る
辛いですお母さん

縋るのは甘えかと、

一人リュックを腹に抱えて端の席に座る
今の便利さ、美しいと思えないのは私よ

不便だけど、昔の風呂敷持って、開いて
膝にかけて、タバコの匂いがずーっとする機関車、
一回乗ってみたいの。

便利便利って、みーんな薄い板に顔向けちゃって
私、つまんないわ。

6/8/2025, 11:25:09 AM

アルプスの山道
ジャンヌちゃん
亡命してきて、私の家へ

祖国の事を思うその目は
私の知らない遠くの地を見つめている

ねえ、アナタが今いるのは、アルプスのおやまなの
アッチにはないものも沢山あるの
やっぱり、アナタの心はそっちにいるの

そこは、アナタの頭の中でしか帰れない
故郷なんだ
もうなくなっちゃうんだから

6/7/2025, 12:57:15 PM

眠る起きるの繰り返し
いつまでこの想いは続いてゆくのだ

ガタガタ揺られている
海の上、果てしない線路を辿り
私の中の彼が破綻するまで
シルバーの電車で、白い電柱が続く
淡い水色の海の上をただ、ひたすら。

何駅目かな。忘れてしまったの
パンプスを何処かの駅に置いてきた
カバンも…かな

でも、取りに戻れないので
ただ、ずーっと、揺られるの

私の髪を撫でてほしいだけなの

6/5/2025, 1:30:08 PM

知の探求。

どこでも、かしこでも

世界はつながる

水に反射したその顔も、真っ青な空も
そのために存在するのかと錯覚するほど
謎しかなくて、それとあとは全て美しい

私は目の前にいる人間のことすら
何一つわかっていないのだろう

ましてや、空だなんて。

おこがましいのだろう

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