紗夢(シャム)

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3/16/2023, 1:51:38 PM

【怖がり】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

3/16 PM 5:35

「なぁ、真夜(よる)。
 宵と古結(こゆい)は、趣味嗜好が
 だいぶ違う感じがするけど、
 共通点ってあるのか?」

 コンビニで買い物をしている2人を
 外で待ちながら、天明(てんめい)が
 聞いてくる。

「……あるよ。2人とも、お化け屋敷とか
 ホラー系、全くダメ」
「――ふはっ……。……そうか、2人とも
 怖がりなのか。それは可愛いな」

 幼い頃、お化け屋敷の中で
 オレにしがみついて大泣きしていた
 宵と暁を思い出す。
 思えばあれも、オレが2人を守らないと、
 と、強く思った要因のひとつだった。

3/15/2023, 4:19:43 PM

【星が溢れる】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

3/14 PM 6:45

「うわぁあ~! 真夜(よる)くん、
 これ何? すっっっごくキレイ!」

 暁が真夜から受け取った
 ホワイトデーの贈り物を見て
 興奮気味に問いかけている。

「《クリスタルハーバリウム》って
 いうものだよ」
「なんだか名前もオシャレだね!
 お花がいっぱい詰まって
 キラキラしてる……ほんとにキレイ。
 ね、宵ちゃん! これ、スゴいね!」
「そうね、確かに……綺麗だわ」
「ありがとう~、真夜くん!
 お部屋に大切に飾らせてもらうね」
「気に入ったなら、良かった」
「気に入らない訳がないよー!」
「……ああ、ちなみに。部屋を暗くして
 ライトで照らしてみると、また違った
 感じになるみたいだよ」
「えっ、試してみたい!」

 暁に言われるがまま、真夜が部屋の
 電気を一度消す。

「……わ、暗闇の中でライト当てると、
 中のお花のキラキラが
 更に強まる感じがするね~!
 ロマンチック!」

 スマホのライトをかざしながら、
 暁が更にハーバリウムに見入っている。

 暁のハーバリウムは、
 柔らかなオレンジ色のバラを
 メインに、白いブバルディアや
 ライスフラワー等で構成されていて。
 アタシのハーバリウムは
 濃い色のブルーローズをメインに
 ブルースターやかすみ草等で
 構成されている。

 闇の中、たくさんの花々が
 光っている様子は、
 まるで星が溢れているようだった。

3/14/2023, 4:22:15 PM

【安らかな瞳】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

3/12 PM 2:50

「――あ、インターホン鳴ってる」

 暁が音に反応して、ゲーム画面から
 視線を外してオレの方を見る。

「お荷物でも届いたの?」
「いや、天明(てんめい)が
 来たんじゃないかな」
「……は?」

 玄関へ向かおうとしたのか、
 ソファから腰を上げた宵が
 そのまま固まった。

「宵と暁に用があるって言うから、
 なら、うちに来れば? って
 LINEで住所送っておいたんだよ」
「……やるねぇ、真夜(よる)くん」

 ニコニコ笑っている暁とは対照的に、
 宵は呆然と立ちつくしたままだったので、
 オレが玄関へ向かうことにした。

「いらっしゃい、天明。
 迷わず来られた?」
「ああ、学校から近くて
 分かりやすかったよ。
 ――お邪魔します」

 リビングへ戻ると、暁がひらひらと
 手を振って天明を迎える。

「いらっしゃーい、天明くん。
 わたしたちに用事って聞いたよ~」
「悪いな、急に」
「全然悪くないよ。どうしたの?」
「あー……。フライングになるけど、
 バレンタインのお返し渡しに来たんだ」
「そうなんだぁ。
 ……けど、どうしてフライング?」
「それは……。俺、バレンタインの時、
 気持ちに応えられないから、
 受け取れないし、お返し出来ないって、
 基本的に断るスタンスだったんだよ」
「でも、押し付けられまくってたね」
「まぁ、そうだったんだけどな。
 一応全員にお返し出来ないって言った
 手前、学校で古結(こゆい)たちに
 お返しを渡すのは控えた方がいい気が
 したんだ」
「……ん? あれ? ……それって、
 わたしたちだけに、お返ししようと
 思ってくれたの?」
「……そうだな。古結たちには、逆に
 しないって選択肢が俺の中になかったな」
「わ~。天明くんて義理堅いっていうか、
 友情に篤いっていうか……。
 ふふ、ありがとう、とっても嬉しい。
 ね、宵ちゃん」
「え、あ……そう、ね? ……ありがとう」

 じゃあこれ、と、天明が2人に
 お返しを差し出す。
 暁にはホワイトショコラの中に
 苺ガナッシュが詰まったトリュフ。
 宵には猫の肉球の形をしたクッキーと
 フィナンシェの詰め合わせ。
 しっかり好みが把握出来ているな、と
 思う。

「美味しそう!」と喜ぶ暁と、
「可愛い」と思わず呟く宵を見て、
 天明はほっとしたような、
 安らかな瞳で2人を見つめている。
 どうやら天明にとっても、
 2人はもう、特別な存在に
 なっているのかもしれない。

3/13/2023, 2:35:31 PM

【ずっと隣で】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

3/11 PM 3:05
「宵ちゃん、真夜(よる)くん、
 紅茶淹れたよー。
 2人がコーヒー党なのは
 重々承知してるけど、このお店の
 マドレーヌにはセイロンティーが
 イチオシだから!」
「「暁」」
「うん?」
「アンタはアタシたちの側にいなさい」
「ずっと隣で、笑ってて」
「ええー!? 2人とも急に
 どうしたの!? 嬉しいけど!」
「……ここのマドレーヌ、美味しいわよね」
「紅茶も美味しいよ、暁」
「う、うん。……え、わたし、
 幻聴でも聞いたかな……?」

3/11/2023, 4:56:25 PM

【平穏な日常】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

3/11 PM 3:00

「♪僕が隣にいない方が
  君は幸せかな
  そんな事話したなら君は
  バカだなって笑うかな♪」

 暁がCDプレーヤーから流れてくる
 歌に合わせて歌っている。

「……バカね」
「バカだな」

 上機嫌で歌いながら、キッチンで
 紅茶を淹れている暁には聞こえない
 くらいの声で、宵とオレは呟いた。

 暁がオレたちの隣にいない。
 その方が幸せなんて、
 そんな事はあり得ないのに。
 勿論これは歌の歌詞で、
 暁自身が言った訳じゃないけれど。
 でももし、暁がそんな事を
 言い出したら、歌詞の通り、
 バカだな、と言って笑うしかない。
 キミと過ごす平穏な日常を、
 宵とオレがどれだけ大切に
 思っているか。
 一体どこまで自覚出来ているんだろう。

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 暁が歌っているのは
 『明日、世界が終わる前に』という、
 40mPさんの曲です。
 曲もシャノさんの優しい歌声も癒しです。

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