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1/3/2026, 12:48:31 PM

「日の出」

 暖かな布団から出て、ベランダを開けた。冷たい風が流れ込んできて自然と体に力が入る。空は白く輝き、太陽が少しだけ頭を出していた。間に合ったことに小さく安堵のため息をつく。少しずつ、けれど確かに明るくなっている。太陽が完全に姿を現すまでのわずかな時間が、ひどく長く感じた。肌を刺す冷たい空気が消え、風や鳥も声を顰めて静寂が訪れる。自然と涙がこぼれ落ちた。
 どうか、この日の出が君の心も照らしてくれていますように。そっと手を合わせて、再び仰ぎ見た空はもう蒼く澄んでいた。

1/2/2026, 10:52:47 AM

「今年の抱負」

 「ねぇ、今年の抱負ってなににするの?」
 手帳を開きながら君が尋ねる。今年の抱負は君にプロポーズすることだって言ったら、君はどんな反応をするのだろうか。君のことだからきっと、声をあげて驚いて、笑って涙を流してくれるのだろう。想像して笑っていると、不思議そうに君が顔を覗き込んでくる。
「内緒だよ。君は?」
「ふーん、内緒か。じゃあ私も内緒!」
 イタズラっぽく笑う君を見て、僕の今年の抱負がもう一つ追加された。
 今年の抱負は、君にプロポーズすること、そして、この幸せな時間を守ることだ。

1/1/2026, 2:42:11 PM

「新年」

 あと数分で、日付が変わって新たな年を迎える。私はスマホを手に取った。
 今年は、君への気持ちから目を背け、自分で自分の気持ちをはぐらかしていた。けれど、来年は君への気持ち、そして君自身としっかり向き合い、想いを伝えると決意した。
 向き合うならば早い方がいい。先延ばしにするとまた逃げてしまう。だから私は日付が変わってすぐにメッセージを送れるように準備した。そこには、新年の挨拶と初詣の誘いが綴られている。
 勝手に震えてしまう指を押さえながら、その瞬間を待った。

12/31/2025, 2:59:28 PM

「良いお年を」

 白く無機質な部屋の中、ベッドから体を起こした君は窓の外を見ていた。やってきた僕に気がつくと柔らかく微笑んで、もう今年も終わるんだね、と呟いた。
「2人で初詣に行きたかったなぁ。再来年に持ち越しだね。」
 少し寂しそうな表情で、賑わう街を見ながら君はそうこぼした。
「そうだな。次は一緒に行けるといいな。」
 うまく言葉を見つけられず、月並みの言葉しか返すことができない。君の願いがほぼ実現不可能であることは君も僕も分かっていた。
 重い沈黙だけが静かに部屋に広がっていく。
「じゃあ、そろそろ行くね。」
 いたたまれなくなってしまい、僕はそう切り出して部屋のドアを開けた。
「うん。良いお年を!」
 振り返ると、君が満面の笑みで手を振っている。僕も軽く手を振りながらそっとドアを閉めた。
 この時はまだ、これが最後のやり取りになるとは全く思っていなかった。



 まだ書き始めて3ヶ月ですが、私の文章を読み、ハートをつけてくださりありがとうございました。
 来年も出来る限り毎日書き続けたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは皆様が良いお年をお迎えできますように。

12/30/2025, 6:22:20 PM

「星に包まれて」

 冷たい風の中、空を見上げる。夜空には満天の星の海が広がっていた。
 それぞれが自分の光を放つなか、視界の左端に他のどの星よりも強く輝く一等星がその存在をアピールしていた。そんな一等星の輝きが、あなたの眩しい笑顔を思い出させる。あなたはいつも強い輝きを放っていて、どこにいても気になってしまうような、惹かれる存在だった。あの一等星のように。
 けれど、あなたから見た私はきっと数多いる星の一つでしかなく、一等星ではないのだろう。
 それでも、私は諦めたくはない。
 いつか絶対にあなたにとって一番輝く存在になってみせる、と輝く星たちに包まれながら誓いを新たにした。
 
 

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