「君が見た夢」
君がかつて見ていた夢。とても遠くて、不可能だって思うような夢。周りの人間たちは否定したり笑ったしたけど、それでも君は歩き続けていた。そんな君が眩しかった。だから隣で支えたいと、手を伸ばした。
でも、遅かった。君の心は限界で、君は夢を叶えることなくいなくなってしまった。
だから、私が叶えるんだ。君が見た夢の先の世界を、いつか君に伝えるために。
「明日への光」
1人で彷徨い続けていた闇のトンネル。出口は見えなくて、でも入り口まで戻ることもできずにいた。歩き疲れて全て諦めてしまおうかと蹲った時もあった。そんな時、遠くに見えた1つの光。それがあなただった。あなたは突然このトンネルにやってきて辺りを照らし、明日というトンネルの出口まで導いてくれた。
だから。今度は私が誰かにとっての明日の光になりたい。私のように闇を彷徨う誰かの。そしていつか、あなたの光に。
「星になる」
君はいつも空を見上げている。私は君ばかり見ているのに、君はちっとも私の方を見てくれない。
私が星になったら君は私を見てくれるだろうか。
「遠い鐘の音」
少し離れた小さな教会から、鐘の音が聞こえる。周囲に幸せを知らせるように明るく響き渡っていた。
私もいつか、真っ白なドレスを着て、あの鐘の下で大好きなあなたと並んで笑うことができるだろうか。
今はまだ早いかもしれない。
でも、どれだけ遠くてもそんな幸せな未来が訪れたらいいなと遠い鐘の音を聞きながら空を仰いだ。
「スノー」
静かに舞い降りる雪が、街路樹のイルミネーションと重なってキラキラと輝いて見える。まるでスノードームの中のような光景だ。
ずっと、スノードームの中に入ってみたいと思っていた。その夢が叶ったような気がして、嬉しさが込み上げる。隣で君が笑っていることも夢のように、感じる。
このまま時が止まったらいい。この雰囲気を、きらめく光景を、君の笑顔を閉じ込めて。この瞬間にだけ生きていたいな。