「初恋の日」
それがいつだったのかは、もう思い出せない。ただ、雲ひとつない眩しい青空だったことは覚えている。
君の笑顔が、あまりにも美しくて、胸が苦しくなって切なくなった。あの時はそれがなんなのか分からなかったけど、今なら分かる。
きっとあの日が、私の初恋の始まりの日だったのだろう。
「君と出逢って、」
君と出逢って、何もかもが変わった。全てに絶望して蹲っていた私の世界には黒い光が差し込んだ。
再び歩き出したこの道は、きっと世間から見たら間違っているのだろう。それでも構わない。私は君との出逢いを後悔しない。
「耳を澄ますと」
テレビもラジオも消えた、静かな夜。耳を澄ますと、君の小さな寝息が聞こえてくる。規則正しいその音は、君がここに生きていることを保証してくれているようで安心する。
数年前までは静かなこの夜が心細くて仕方なかったのに、今は君の寝息が聞こえる夜が好きだ。
今日もそっと、耳を澄ます。チラリと君の寝顔を見ると楽しそうな笑顔を浮かべていた。
「善悪」
善悪ってとても曖昧で揺らぎやすいものだ。
一般的に他人に危害を加えることは悪だとされるけれど、その他人が多くの人を苦しめていた場合、それは悪ではなく善とされることもある。
結局、どれだけ多くの人間に利益を与えることができるかが善悪の判断基準なのだろうか。
だとしたら、私の行動は善と言えるのか、それとも悪と言われるものなのか。
「今日の心模様」
この1週間、ずっと大雨だった。梅雨が明けて、空は青く輝いているのに、心模様はまるで正反対だ。「止まない雨はない」という言葉を疑いたくなるような雨の中、突然現れた君は、私に寄り添い、ただ静かに話を聞いてくれた。それだけで、少しずつ雨の勢いが弱まっていく。
まだ、雨はやまない。けれど、遠くの空が明るくなり始めていた。