川原

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5/20/2024, 10:59:44 AM

「理想のあなた」

10代の終わり 夢の中に出て来た人を
密かに運命の相手だと思っていた
知らない人達と海に行って
お決まりのスイカ割りや花火をしながら
その人は私に何かを言いかけた
何故か運命の人だと思った

いつかはその人に巡り合う気がして
ノートに似顔絵を描き留めたりなんかして
なんて可愛かったのだ 乙女な私
その後すぐに 
夢の人とは似ても似つかぬ薄情者を好きになり
嵐の海へ漕ぎ出すようなドツボな恋を
5年も続ける事になろうとは

あれから随分時が流れて
夢の人の顔も覚えていない

もう何処かで出会っているのかもしれない
これから出会うのかもしれない

とっくにノートは捨ててしまったので
理想のあなたに会えても もう私には分からない


5/19/2024, 10:34:53 AM

「突然の別れ」

突然の別れ
覚悟はしていた
だけど少しでも 
お別れの日を引き延ばしたかった

沢山の人に愛されていた
同じビルの隣の会社の人にまで

その人はお母さんと二人暮らしで
亡くなったと聞かされて 家に帰って
お母さんに知らせたら お母さんの方が驚いて

「二人で号泣したのよ
母は 一度も会った事もないんだけどね」
去年、持病が悪化して勇退した後も
普段の食卓に 何気ない会話に
その人とお母さんの話題には上っていたのだろう
「父が亡くなった時は泣けなかったのに
父よりも彼女の死がこんなにも辛いなんてね」

悼みを声に出す事が弔いで
思い出が救済だと
幾度となく
私達は知らされて
皆でぽつり ぽつりと
雨垂れのように哀しみを分け合っている
雪の日に身を寄せて丸くなる雀達のように


5/18/2024, 10:20:36 AM

「恋物語」

かつて身を焦がすほど
好きだった人が 人生の中で何人いたか
初恋から遡って数えて
私の年齢を割ったら

平均して 7年に1人 
新規で好きになる計算だった(笑)

あと何年 生きて 残りの人生で
何人 好きになるのか
そう考えたら 相手が異性でも同性でも
動物でも 無機物でも
好きになれること
それ自体が貴重な体験だな

自分を好きになって慈しんで
誰かを好きになって恋を紡いで

あと何年生きて
いくつの物語を描けるのだろう


5/17/2024, 10:20:26 AM

「真夜中」

真夜中はわたしの友達
眠れなくても気にしない

夜中に目が覚めて
眠れなくなると
ネットが普及する前は
深夜映画や外国の通販番組を観てた

一人の時間
自由な時間
子供の頃から 真夜中は友達
静かで少し冷んやりとして
心地よい 秘密の友達

5/16/2024, 10:30:56 AM

「愛があれば何でもできる?」

出来ませんね
何でもできると言う人ほど信用出来ないし
もし貴方がそんな事を言ったなら
百年の愛も冷めると思う

貴方はあなたの世界を大事にして欲しいし
私の世界も尊重してくれる
貴方だから愛するのだ

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