「後悔」
あの時 後悔なんてしないと
思った事を後悔している
ごくりと鳴ったその音は
誰の喉から出ていたのか
「子供のままで」
夏になると着ていた
赤いタオル地の水着
胸元に カニさんのアップリケ
母は大きな麦わら帽子
小学生だった
おもちゃのバケツにシャベルを入れて
砂浜を走る
笑顔だった
笑い過ぎて 顔がブレていた
カメラを構えていたのは父
砂山を作ったのは姉
おもちゃのシャベルでトンネルを掘った
何がそんなに可笑しかったのか
ねえ君 大人になった私に教えておくれよ
「愛を叫ぶ」
縁は異なもの味なもの
愛は叫ぶもの
最後に笑うもの
報われない想いに苦しんで
がんじがらめになっても
時が経てば忘れられる
出会いがなければ別れもないけど
種を蒔かなければ花は咲かない
馬鹿野郎と声を張り
ありがとうと笑おう
出会えた喜びに
傷みの記憶に
愛は叫ぶもの
誰かと分かち合うもの
「モンシロチョウ」
貴方が呟いた言葉に
勝手に傷ついている自分がいるよ
おかど違いなのは重々承知
モンシロチョウ モンシロチョウ
あなたはあなたの道をゆけ
こんなに立派な方を産んで
立派な方に育てたのだから
シングルマザーでも故人の人生は
成功だったと思いますと貴方は言ったの
真白くヒラヒラと 何処ででも目にする
春の蝶
立派な子育てをしなければ
マザーの人生は失敗なのかな
勿論 誰かを貶めようと言った訳ではないのは
重々承知よ モンシロチョウ
わたしの人生は失敗続きよ
だけど親は親 子は子と
歯をくいしばって来た
そんな生き方もあるのよ
モンシロチョウ モンシロチョウ
私は私の 涙は自分で拭くのよ
「忘れられない,いつまでも」
大切な人を失って
悲しみや わけのわからない怒りや憤りに
がんじがらめになって
曜日や日にちの感覚がなくて
ようやく最近
腹が立つ事に 腹が立ってきた
何で大好きな人の事で
いつまでも怒ってなければ
ならないんだ
悲しみの向こうに ひっそりと
楽しかった日々が甦ってくる
まだ悲しいけど まだ悔しいけど
貴方がやっと
痛みや苦しみから解き放たれて
安らかになれた事も
貴方との出会いや たくさんの思い出に
ありがとうと言える気持ちも
大事に持ち続けていたいと思う