「一年後」
アスパラガスの苗は
植えてから3年後くらいにやっと
食べられるようになる
冬は枯れてしまうので
もう駄目になったのかと思ったら
しっかり根は生きていて
春にはちゃんと 細いけど
紛れもないアスパラの茎が伸びてきた
3年目の今年 プランターで育てた穂先を
ちょんと切って茹がいて食べた
栄養素だけでは得られない
元気の味がした
また来年
冬には枯れても しっかりと根を張り
春を待つ君を わたしも待つよ
「初恋の日」
そんな国民の祝日を作ったらどうかな
祝日がない6月や12月に是非どうでしょう
その日は 日本中がソワソワして
とっておきのお菓子とか頬張って
好きな人のことを考えたらいい
人じゃなくても 生き物じゃなくてもいい
なんなら 初恋じゃなくたっていい
Love &Peace
誰かの事を思って
日本中がホワホワして
炭酸にレモンとか絞っちゃったりして
誰かを思って 笑みが溢れたらいい
「明日世界が終わるなら」
自分の事でも 家族の事でも
しんどい事がたくさんあったので
あまりにも辛い時は
今日が世界の終わりの日だと思って
耐えていた
そうでも思わないと 息が出来なかった
だから 乗り越えて来たんじゃなくて
溺れながらも 少しずつ陸を目指しているだけ
明日世界が終わるとしても
いつも通り ご飯を食べて
お茶を飲んで
プランターに水やりをして
何かを読んで 書いて
過ごす
今までもそうやって
世界の終わりを過ごして来たから
「君と出会って」
夏が弾けて 回転する扉
空飛ぶメリーゴーランド
二人で行こう
何に出会おう
何を見つけよう
秋が来る前に
晴れているうちに
遊びほうけて暮らそう
雪の日に 思い出を話せるように
曇りの日は 明日のパンを買いにいこう
あなたと春を夢見よう
夏がはじけて 扉が閉じるまでに
「耳を澄ますと」
心から笑っている人の顔を見ていると
その人の胸の奥で
鈴が鳴っているようで
かすかにそれは
聞こえる気がする
私が思う気持ちの半分も
あの人は私を思ってくれては
いないかもしれない
だけど
耳を澄ませ 目をこらせ
わたしを見る あの人の胸から
聞こえてくる かすかなそれは
それだけで
今は充分だ