私は琥珀。 隣は、いつも通り春斗くん。
明日は、私の誕生日。
今私は春斗くんに片思い中。
でも、両思いだったらいいけど。
と、休み時間中。
私は1人で考え事をしていると、
廊下から春斗くんと他の女子がいるのを見た。
隣を一緒に歩いている!!
え。私の恋終わり?
そっかぁ…片思いかぁ、
今まで沢山アピールしてきた。
全て、水の泡かぁ。
あーあ。… お幸せに。
私、明日誕生日なのに、嫌な物見ちゃった。
俺は春斗。ゲームにハマってる。
でも、それ以上に好きなのがある。
俺は、琥珀の事が好きなんだけど、誰も知らない。
知らせない。
だって、恥ずかしいじゃん?
ちょっかい掛けられたり、
琥珀になんかあったら嫌だし。
でも、琥珀は俺の事好きかな?
俺だけ片思いとか、恥ずいし。
告白とか断られると嫌だし。
てか断られて友達関係も消えるのとか嫌だし。
明日は、確か琥珀の誕生日だったはず。
琥珀の唯一の友達見たいなやつ連れて、
琥珀の誕プレ買いに行く途中。
あ、やば。
琥珀に見られた気がする。
大丈夫かなー。
よし。放課後なった。
さっきは琥珀の友達と何買うか話し合いしてた。
琥珀の好きなキャラのキーホルダーになった。
俺はそういうのよく分からないけど、
琥珀の友達がこれって言うからそれに決めた。
琥珀、喜ぶかな。
私は琥珀。
隣にいるのは春斗くん。
今は、休み時間。
みんなどこかに遊びに行ってるのか、
クラスに残っている人はあまりいない。
あまりいないというか、私と春斗くんだけだけど。
春斗くん、何かを修理してる。
そう考えていると、
「あっ、やべっ!」
春斗くんの声。
ふと春斗くんの方を見ると、
どうやら強力接着剤で、指を接着したそう。
中指と、人差し指と、親指が、1箇所についてる。
右手の。
しかも、左手は壊れている部分を抑えていて、
手が離せないらしい。
私は春斗くんを助けるために、
ゆっくり剥がそうとした。
力振り絞って、痛くない程度に、離そうとした。
頑張って、私なりに。
でも、全然剥がせない。
もし、あの力が強い人がいたら、
もし、あの文具に詳しい人がいたら、
もし、あの何でも出来る人がいたら。
私じゃ何も出来ない。
春斗くんに「取れない」と伝えるように、
見つめていると、
春斗くんが急に右手の中指と人差し指と、親指を
…離した!
え?どうして?おかしい。私は、本気で助けようとした。
え、騙された?
頭の中をぐるぐると巡っていると、
春斗くんがぎゅっと私の手を握った。
「手、繋ぎたかったから。こうしないと、手繋いでくれなかったでしょ?」
え…!?
私は琥珀。 隣の席にいるのは、春斗くん。
春斗くんは、頭が良くて、運動神経も良いの。
良いなぁー。私も、春斗くんみたいになりたい。
そう思っていると、チャイムが鳴った。
休み時間だ。
私は、友達もあまり居ないし、
春斗くんとは大違いなんだよなぁ。
だから、いつも通り本でも…
急に、春斗くんがこっちに向かってきた。
私は、びっくりしたけど、
多分私には用はないと思った。
「これ、やるよ」
手に握らされた物は、花びら?
桜の花びらだった。
私はいつもと違う1日を過ごして、今日を終えた。
でも、ベッドから起きた。
窓の外を見ると、朝だ。
そっか。夢だったんだ。
少し残念な気持ちで学校の支度をして、
ふと手を見た。
桜の花びらが。
私は琥珀。そして、隣の席にいるのは春斗くん。
チャイムが鳴った。
今は数学の時間。
数学の先生は、凄く怖い。しっかり集中しないと…
…?
じっ…と。
春斗くんは見てくる。
私が春斗くんを見返すと、春斗くんはそっぽ向く。
数学が、集中出来ない。
何回も繰り返す。
何回も、何回も。
見つめられると、気になる…
見つめられると、恥ずかしい、
見つめられると、きゅんとする…
my heart。
春斗くん、私の頭の中、もしかして
覗いてる?
私は琥珀。
私が寂しい時、春斗くんは来てくれる。
私が楽しい時、春斗くんは笑ってくれる。
私が怒った時、春斗くんは話を聞いてくれる。
私が悲しい時、春斗くんは慰めてくれる。
私が死にたい時、春斗くんは駆けつけてくれる。
私の感情全て、気付いてくれる。
私が、春斗くんの事を好きなのも、
気付いてるのかな。
今日も好き。
ハートが、掴まれる。
好きすぎて、とろける。
でも、私の気持ちは届かない。
myheartが、掴まれる。
私だけ。