ないものねだり。
そこに無いものを欲しがる。
…全て、この世の全てが欲しい。
ないものねだり。
独り言を聞かれた。
「え、何。怖。」
怖い、か。
本当の事言っただけ。
この世の全てを自分の物にすれば…
何もかも自分のしたい事ができる。
だけど、これも、
ないものねだり。
好きじゃないのに!
…私は琥珀。
で、私の隣にいるのは春斗。
「なぁ、琥珀ってさ、いつも何考えてるのか分かんねぇよなw」
春斗の友達、碧。 あおって読むの。
碧くんは、いつも私に聞こえるように、
嫌がらせしてくる。
「やめろよ。琥珀が聞いてる。」
私は一瞬、自分の名前を呼ばれて、びっくりした。
体が反応しちゃった。
私は、陰キャ?で、友達は居ないの。
だから、名前を呼ばれただけでビクってしちゃう。
あぁ、春斗くん、また私のこと庇って。
私なんか嫌がらせ受けたって平気よ。
でも、春斗くんに、守って欲しいな…
私、なんて事考えてるの!?
春斗くんなんか、好きじゃないのに。
あー。もう休み時間終わったよー。
最悪ー。
また、そんな女子の声。
汗だくで帰ってくる男子。
女子達が、「男子ってなんでそんな汗だくで帰ってくるんだろーね。w」
と、話してる。
いつもの日常。
いつもの風景。
いつもの…
今日は、いつもと違った。
春斗くん…?
私は窓から外を見てたのに、横に春斗くんがいる。
私は急に春斗くんが来てたから、びっくりした、
思わず、声を出しちゃった、
「うわぁ…!あ、、春斗くん。」
もう…恥ずかしくて、顔真っ赤になった…
「何?w俺がイケメン過ぎて照れた?」
「え、?違う、そんなんじゃない。!」
「ww知ってるよ。チャイムなったからまたね。」
…?春斗くん、何をしたかったのかな…?
少し困惑しちゃった。
あ!ヤバい、授業遅れる!!
「ねぇ、琥珀?」
あれ、春斗くんどうしたのかな、
「何?春斗くん。」
「琥珀って、俺の事好きなの?」
「え!?そんな訳ないでしょ!
私の事、春斗くんまでからかうつもり?」
あ…やってしまった。キツく言い過ぎ。
「そっかぁー。変な事聞いてごめんね。」
「俺は好きなのに」
え、小さい声で聞こえた気がする。
好きじゃないのに…
好きじゃないのに…
好きになっちゃうよ…