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2/6/2024, 8:07:45 AM

 1月が終わった。
 今年ももう12分の1が過ぎた。
 よく言われることだが、年々時間が経つスピードは速くなる。速く感じる。
 子どもの頃より経験値が増えたぶん新鮮な出来事も減って、似たような毎日を過ごしているからだろうか。 

 ところで今年は令和何年だっけ? と暦が分からなくなることもよくある。3月頃までは。
 親兄弟の年齢もとっさに出てこない。2000年生まれは計算が楽で羨ましい。というか、2000年生まれが今年で24歳なのか……。

 うかうかしているうちに、元日に今年はこうしたいと考えたことが早くも崩れかけている。
 気づいたら暮れになっていそうである。
 いけないいけない。いや、まだワンチャン旧暦がある。2024年の旧正月は2月10日。
 きたる2度目の元日にまた気持ちを新たにしたいところである。


『溢れる気持ち』

2/2/2024, 12:38:12 AM

 子どもの頃、ブランコの立ちこぎでどれだけ高いところまで行けるか試したことがある。ぐんぐん上がったが、一定以上は行かなかった。それとも行けなかったのか。
 2人乗りもした。向かい合って立って乗る形、1人は座り1人は足を広げて立つ形。さすがに3人乗りはやったことがない。
 両脇の鎖を持ってブランコの板の上で前回りもしていた。
 当時はよくある光景だった。

 いまはブランコの立ちこぎや2人乗りは禁止されていたり、たとえ禁止されていなくてもルール違反、マナー違反と見なされたりするらしい。
 理由はまず危険であること。そして、土足で立ちこぎをすると板が汚れて次の人に迷惑だからだそうだ。
 禁止と聞いたときは驚愕したが、理由を聞けばなるほどと思わないこともない。
 
 立ちこぎで落ちたことはないけど、座り乗りしているときに滑り落ちるとスイングした板が頭に当たって痛かったな……と思い出すが、安易に昔のことを持ち出すのもいまは不適切なのだろう。
 ブランコひとつとっても常識や価値観はアップデートされゆくもの。
 ところでジャングルジムはどこに消えた?


『ブランコ』

2/1/2024, 5:42:07 AM

 “旅路”で“果て”だとどうもシリアスになる。
 旅の終わり……そういえば沢木耕太郎の『深夜特急』、大昔に読んだけれど内容をほとんど忘れてしまった。最後はどうなったのだろう。

 沢木耕太郎より時代は下るが、私がまだ若かった頃も若者の海外一人旅が流行った。
 東南アジアやインド、南米など、当時の個人旅行先としてはマイナーな国を目指すバックパッカーが結構いた。

 飛行機のチケットだけ取ってホテルも決めず日本を飛び立つ。お金をかけず安い宿で寝起きし、土地の人と同じものを食べ現地を巡る。トラブルはつきもので、それすら楽しんでいるようだった。
 当時は海外の物価も安かったので、日本でバイトをして稼いでは旅に出る、を繰り返す人もいた。

 旅行記を書籍やホームページで発信する人も少なからずいて、私はそんな彼らを無鉄砲だと思う一方で、羨ましさも感じていた。
 旅に出たら自分も変われるかもしれないと思っていた。

 いまやインターネットが全世界に普及し、良くも悪くも便利な時代、バックパッカーの醍醐味が非日常なら昔ほどは味わえなさそうだ。
 私も今さらこの年で無謀な旅はしたくない。
 それに、もう何も変わりはしないと分かった今、いわゆる「自分探しの旅」に出る理由もなくしてしまった。旅に出ずして果てを迎えそうである。


『旅路の果てに』

1/30/2024, 3:13:54 AM

 横文字がなんとなくこっぱずかしいのはさておき、「I LOVE...」の反対は「I HATE...」として、「I LOVE...」なことと「I HATE...」なこと、どちらがすらすら出てきますか?

 私は悲しいかな、「I HATE...」なことのほうが圧倒的に列挙できる。
 生きていると腹立つこと、嫌いなことがどうしても出てきて、一度気になるとつい目が行きがちだ。

 「I LOVE...」のほうは悩む。LOVEとは理屈抜きで心をつかまれてしまうこと、言葉にできないくらい真剣な思いという固定観念があるからで、軽く答えられない。
 「I LIKE...」のほうがさらっと答えやすい。英語では言わないけど。

 出処は忘れたが「LOVEは意思(意志)でLIKEは感情」という言葉を聞いたことがある。人類愛とか隣人愛とか規模の大きな話だったかもしれない。
 そういうことを言われると、目先の感情にとらわれがちな私は若干ばつが悪い。

 ただ、毎日のように面白くないニュースが流れ、SNSにむき出しの言葉があふれ、ともすればHATEに傾きがちなこの世の中で、意識的にLOVEの視点を持つことは意味がある気もしている。


『I LOVE...』

1/29/2024, 3:51:35 AM

 出不精なこともあり、インターネットで買い物をすることが増えた。
 時間を気にせずゆっくり選べるのが利点。
 特に服は、街の店だと店員さんに話しかけられるのが苦手で通販がほとんどである(最初に声をかけられた時点でやんわりアテンドを断るのだが、その後もずっと視線を感じる状況に耐えきれない)。

 しかし、出かけるといいこともある。
 外出先でふらっと立ち寄った量販店で、山ほどある商品の中から希望の条件を満たすルームウェア用のスウェットを見つけたのだ。
 綿100%で裏起毛で無地(謎の英語や柄が入っていない)でなおかつ安い。すべて兼ね備えたものはありそうであまりない。ほくほくで買って帰った。

 単純なもので、以来、出不精もほどほどにして、一人で見て回れる量販店やショッピングセンターを覗くのもありだな、と思い始めた。
 通販でも掘り出し物はあるけれど、自分の手で掘り出すとでっかい芋が穫れたような嬉しさがある。


『街へ』

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