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8/9/2024, 2:43:09 AM

 蝶よ花よと育てられた、というと世間知らずの箱入り娘がイメージされる。
 世俗的なこととは無縁で、綺麗なものだけ見て大事に育てられたお嬢さん。

 たまに、そんな蝶よ花よと育てられたはずのお嬢さんが正反対の方向に行ったりして、世の中をびっくりさせる。
 反骨精神が噴出したか、どこかでぬかるみに嵌ったのだろう。

 蝶よ花よと育てられても、家の外に出ればいろいろな人に会うし、スマホを与えられたらインターネットやSNSを通し、どうしたって人の悪意に触れる。
 箱入り娘を維持するのは難しい。
 ペットくらいなものか。

 生まれ変わるなら、できれば金持ちの家の子猫になって、蝶よ花よと育てられたい。
 エアコンのきいた部屋でゴロゴロしているだけで可愛がられるなら、絶対に箱から出ない。


『蝶よ花よ』
 

6/14/2024, 8:58:53 AM

 あじさいが好きな花だという自覚はなかったが、画像フォルダを見返すとほぼ毎年あじさいを撮っている。
 薄青、ピンク、白、青紫、赤紫、花の中のグラデーションの美しさを見ると、つい撮りたくなってしまう。
 どうやら私はあじさいが好きらしい。

 子どもの頃、あじさいは敷地内に植えてはならないと聞いた。理由は色が変わるから(移ろいやすい)縁起が悪いというものだった。
 調べてみると寺に多く植えられていて死を連想するから、など諸説あるようだ。
 あじさいには毒があるので事故を防ぐため庭に植えなくなったという理由が、もっとも説得力がある。

 あじさいは縁起が悪い花と記憶に刷り込まれたせいか、自分の中でイメージが下がり、好きだと気づくまで時間がかかったようだ。
 今年ももう2回ほど撮っている。
 例年なら梅雨に入っているはずだが、今年は遅れているので、青空の下のあじさいだ。

 しばらく書かない間に気づけば6月。単調な生活に変化があった。
 変化といってもあじさいのような美しい移ろいではなく、ドタバタしている。
 まだまだ余裕はないが、ここかどこかで書くことは細々と続けたいと思っている。
 あじさいが好きだと気づいたように、書くことは苦手だけどやめたくないと気づいたので。


『あじさい』

4/23/2024, 2:43:08 PM

 生まれついてのドジである。ドジと書くと可愛げがあるが違う。
 自分の場合は、単に注意力散漫で浅慮なだけだ。小さな頃からやらかしが多かった。
 ポカのレベルから穴を掘って埋まりたいレベルの失敗まで、シチュエーションも様々だ。

 一応、回避する努力をしているせいか、小さなミスはしばしばでも、大きなミスは少なくなった……つもりだった。 
 今日、数年に一度レベルの大失敗をやらかした。
 詳細は書けないが、内臓がぎゅっとなる感覚を久しぶりに味わった。

 そんなときに通知されたこのテーマ。
 ただいまの心模様は、土砂降りでもなく、どんよりとした曇り空でもなく、晴れているけど月の出ていない暗い夜といったところか。ぽっかりした気持ち。
 やはり生まれ持った気質はどうやっても変えられないらしい。まあ、それでも人生は続いていく。


『今日の心模様』

4/15/2024, 6:57:48 AM

 天は二物を与えずというが、与える人には三物も四物も与えるし、逆に一物もくれないこともある。
 禍福はあざなえる縄のごとしというが、人生の大半ついている人もいれば、全くついていない人もいる。
 因果応報というが、悪いことをしてのうのうと生きている人はそこらじゅうにいるし、優しい人が報われない例も山ほどある。

 人生はままならない。神様に祈っても通じるとは限らないことは重々承知している。
 不安なことが続くと示唆が欲しくて、神様や精神世界など見えざるものを求めたくなるけれど、どうも自分は深遠なことを考えるのは苦手なようだ。
 というわけで、神様へ言いたいことは特段ない。
 ラッキーなことがあったらなんとなく感謝して、悪いことがあったらマジかーと溜め息をつく。


『神様へ』

4/11/2024, 3:49:52 AM

 今年は桜の開花が遅れて、自分が住んでいるところでは4月上旬に満開になった。遅れて、という表現は少し違うのかもしれない。近年は温暖化の影響で開花が早まっていて、かつてはこの時期が普通だった。
  
 桜は先だっての風雨でだいぶ散ってしまった。
 年度の終わりと初めはなんだかドタバタして、ドタバタが過ぎたら気が抜けてしまった。
 ここに書くのも間があいた。
 春眠暁を覚えずを地で行く日々を過ごしている。
 
 最近は5月頃には暑くなってしまう。これまた温暖化のせいらしいが、夏が年々長くなっている。
 今年は久しぶりに入学式の頃に桜が咲く春らしい春だったが、これが当たり前の景色でなくなったのはやはり寂しいことだ。
 去りゆく短い春を惜しみつつ、今しばらくだらだらしていたい心持ちでいる。


『春爛漫』

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