必要のなさそうなリニューアルをする商品をちょくちょく見かける。
例えば洗濯用洗剤。
現状で満足の固定ユーザーがいるのに、成分や香りをリニューアルしたという名目で定期的にパッケージや名前をちょこっと変えてくる。
結局、汚れ落ちは誤差の範囲であることが多く、香りが変わったことにショックを受けた人の口コミが並んでいたりする。
香りも例えば、洗いたてのシーツの日向の香り、とか、朝露を含んだ白百合の香り、みたいなひねった名前になっていて字面からは想像もできない。
それでいて好みではない匂いだとがっかりくる。
全然詳しくないが、あれはマーケティング戦略なのだろうか。
新発売の広告で新規ユーザーを獲得して、その人たちが慣れたころにまた変えるとか。新しいボトルを買ってもらうためとか(詰め替え用だけ買って古い容器に入れる人もいそうだが)。
賢い人たちの考えることはよく分からない。
『ずっとこのまま』
寒さは年を取るほど身に染みる。
個人差はあるにせよ、若いほうが代謝や血行がいいからかもしれない。
歳を重ねて芯から冷えるようになった。
布団に入っても足先が冷えていると、うまく眠りにつけない。
あと意外なところでは鼻が寒い。なんだか冷えるな、と思って鼻を触るとひんやりしている。足元と違って対策に困る。
体には10代の頃にはなかった肉がついているが、たとえ脂肪を身に纏っていても寒いものは寒い。
脂肪は防寒着にあらず。夏はめっぽう暑くて冬は普通に寒い。
今夜も冷える。
『寒さが身に染みて』
金を積まれても戻りたくないなあ。
『20歳』
月の満ち欠けは人の睡眠に影響するらしい。
満月が近づくと眠りが浅くなったり寝不足になりやすいとか。
最近、やたら寝つきが悪いので月が満ちているのかと思いきや三日月だった。
三日月形の目といえばまりもっこり。
睡眠不足のせいでこんなことしか思いつかない。
いや通常運転か。
『三日月』
子どもの頃、和柄が刷られた千代紙のセットを持っていた。私にとっては宝物で、取り出しては飽かずに眺めていた。
当時、家の中には母の制作物とおぼしき千代紙を貼った文箱や三段の小箱があったので、あるいは余った材料だったのかもしれない。
藍色、鴇色、茜色。
扇、手鞠、紅葉。
布として身にまとえば派手であろう色や柄も、千代紙の四角い世界の中ではお行儀よくまとまって見えた。
綺麗だなと見入っていた幼い自分の眼差しとともに色彩の記憶も蘇る。
『色とりどり』