Lacryma

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10/28/2024, 5:02:15 PM

何も見えず、何も聞こえない

暗がりの中で、ただ静かに目を閉じている

煌々たる光が生む眩しさに

私は恐れ逃げ出し

安寧と静寂を守る闇夜に隠れ

全てが過ぎ去るのを待っていた

ただ息をすることが、酷く苦しかった

しかし、いかに残酷であろうと

人生とはきっと儚く美しい

足元を微光が照らした

この暗がりを抜け

今度は光の下で生きねばならない

刹那の憩いの中で

世界を照らす光の暖かさに

一体どれほど焦がれたことか

全てを隠し安寧をもたらす闇の静穏たるを

一体どれほど望んだことか

10/27/2024, 12:33:17 PM

貴方が好きだった紅茶の香りがする

一体誰がこんな悪質な悪戯をしているの?

今さら思い出させるなんて残酷ね

この香りを辿っていっても

貴方に会えることはないのだから

10/25/2024, 11:16:39 AM

ずっと独りだった。友達になってくれてありがとう

貴女はいつも私に言ってくれた

だから、つい目が眩んでしまった

お姫様を夢見た貴女に、少しでも喜んでほしくて

私は貴族の宝石に手を出してしまった

すぐに兵に見つかり、隙をついて走り出す

ごめんなさい、すぐに返すから

そう思った瞬間、腹部に鋭い痛みが走った

私は射られたのだ

宝石の持ち主は、私のもとに来て言った

卑しい盗人よ、顔を見せなさい

私は彼女の顔を見る

そこにいたのは、私の友達だった

あぁ貴女、私といたのは貴族のお遊びだったのか

言いたいことはたくさんあったが、力が抜けていく

それでも私は、声を絞り出して言った

ごめんなさい、私の、大切な友達

薄れゆく意識の中、最期に見えたのは

私の名前を泣き叫びながら駆け寄ってくる

私のよく知る、友達の姿だった

10/25/2024, 8:37:59 AM

さようなら、私の光よ、愛した人よ

貴方はそう言って微笑んで

静かに私に背を向けた

さようなら、愛しい人。きっと、またいつか

そう返事をして、私も貴方に背を向ける

だけど彼と違って

私は歩き出すことができなかった

きっといつかなど、ないのだから

私たちはここで終わるのだから

私はただ、苦しみを吐き出すように

行かないでと声にした

届かない言葉に嗤い、涙を拭いた

もう立ち尽くしている時間はない

たとえどのような結末になろうと

最期は笑って、この悲劇を終えるのだ

10/22/2024, 4:53:18 PM

もうじゅうぶん時間は稼いだ

皆は今頃峠を越えた頃だろう

追手が彼らに追いつくなど無理な話だ

私は息をつき、自らの足を見やった

きっともう、故郷に帰ることはできない

冷たい風が髪を揺らす

そういえば、衣替えの時期であった

足止めを遂行し未練などないと思っていたが

欲を言えば、美しく雪と舞う貴女を

たった一目でも、この目で見てみたかった

この願いはもう決して叶わないけれど

貴女が生きて、時折でも私を思い出してくれるなら

騎士としてそれ以上に望むことはないだろう

そのはずなのに

欲深い私は最期まで願ってしまう

もし、来世があるのだとしたら

その時はきっと平和な世で、貴女の側に

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