ずっと独りだった。友達になってくれてありがとう
貴女はいつも私に言ってくれた
だから、つい目が眩んでしまった
お姫様を夢見た貴女に、少しでも喜んでほしくて
私は貴族の宝石に手を出してしまった
すぐに兵に見つかり、隙をついて走り出す
ごめんなさい、すぐに返すから
そう思った瞬間、腹部に鋭い痛みが走った
私は射られたのだ
宝石の持ち主は、私のもとに来て言った
卑しい盗人よ、顔を見せなさい
私は彼女の顔を見る
そこにいたのは、私の友達だった
あぁ貴女、私といたのは貴族のお遊びだったのか
言いたいことはたくさんあったが、力が抜けていく
それでも私は、声を絞り出して言った
ごめんなさい、私の、大切な友達
薄れゆく意識の中、最期に見えたのは
私の名前を泣き叫びながら駆け寄ってくる
私のよく知る、友達の姿だった
10/25/2024, 11:16:39 AM