Lacryma

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10/15/2024, 12:11:35 PM

「どうしてこんなこと」

彼女が私に問いかける

森と対話し、自然と生きる森の民

私は彼らを森の奥深くへ追いやり

二度と我らの王国に関わるなと忠告をした

彼女は私を鋭い眼差しで睨み付けた

「裏切ったのね。王国も、貴方も」

私は心が引き裂かれる思いだった

『異端の民を根絶やしにせよ』

国王の命令から彼らを守るには

彼らに身を隠してもらうしか方法はない

長い間親交を深めた末の裏切りだ

私は彼らに背を向けた

真実を話すことはできない

たとえ恨まれたとて

私は彼らに、そして貴女に生きてほしかった

それが、私たちの願いだったのだから

10/14/2024, 3:20:45 PM

彼は毎日この教会に足を運んで

人々のために祈りを捧げている

神様

もし本当に貴方が存在していて

私たちに救いをくださるというならば

心優しく敬虔な彼の祈りは

高く高く天へ届いて

貴方様もご存知のはずでしょう

どうして彼に救いをくださらないのですか

祈るだけの愚か者とお思いですか

もし本当に貴方が世界を創ったのならば

祈る以外のすべてを彼から奪ったのは

他でもない貴方だというのに

10/11/2024, 5:56:19 PM

貴方が吹かしている煙の匂いを感じる

こんなにも近くにいるのに

私の心は不安に支配されているの

あのカーテンが掛かったとき

貴方が消えてしまう気がして

10/10/2024, 12:46:39 PM

「本当に愛していたの。心から」

貴女はそう言って目を伏せた

私は言葉を探していた

きっと慰めの言葉など求めていないだろう

そうして何も言えないでいるうちに

貴女は意を決したように立ち上がった

「そして今も、彼を心から愛しているわ」

その目は覚悟と慈愛を帯びていた

あぁ、貴女はまた行ってしまうのか

彼を追いかけて、私を置いて

「そうか。彼を探しに行くんだね」

その次の言葉を言えなかった

貴女は私に感謝を告げて

また私から去ってしまった

私が迷っているうちに

貴女たちは私の手の届かない場所へ行ってしまう

意気地なしの私は追いかけることもしないで

それだから私は

きっとこの命を終えるまで

あなたの涙の理由にはなれないだろう

10/8/2024, 12:07:21 PM

ここまで休まず歩みを進めてきた

その反動か、視界が不安定になり体も重い

私は馬から荷を下ろし

束の間の休息を取ることにした

こんなことをしている暇はないのに

早く貴方を迎えに行かなければならないのに

考えれば考えるほど意識が朦朧として

気づけば東の空から光が射し込んでいた

眠ってしまっていたのか

休んでいる暇ない

闇に攫われた貴方を

救いに行かなければならないのだから

貴方がいつも私を守ってくれたように

今度は私も貴方を助けたい

私は薄れゆく記憶を手繰り寄せ

彼方に向かって再び歩き始めた

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