3/28/2024, 2:57:08 PM
…あぁ、どうしよう。
君に、そんなにも熱心に、じっと見つめられると、
手に汗が滲んできて、思わず身体が動いてしまいそうになる。
…いい加減、目の前の帽子にお金を入れてくれないだろうか。
──『見つめられると』
3/15/2024, 1:19:55 PM
『これ、くださいっ!』
声のする方を向くと、机からのぞかせる手がひとつ。カウンターよりも背丈が小さな少女の、小さな手に、キラキラと磨かれたコインが握りしめられていた。
『はいよ。お嬢ちゃん、これはつかみどりだ。
この瓶の中に手を突っ込んで、なるだけたくさんつかむんだよ?』
少女は自身の小さな手を、瓶の中でめいっぱい開いて、つかむ準備をする。店主も今か今かとじっと見守った。
『つかんだぁ!!…わっ!』
ぎゅっと掴んだ甘い星は、手のひらからポロポロとこぼれおちた。
3/14/2024, 2:40:06 PM
ぱら…ぱら…ぱら…
──ああ、なんと素晴らしい物語だろう!こんなにも満たされることがあるだろうか!
おっと、これはいけない。
つい夢中になってしまって、珈琲をすっかり冷たくしてしまった。
まだこんなにも残って──
…おや、目元もつい緩んでいたみたいだ。
3/13/2024, 1:30:09 PM
──そのまま、ずっと隣で、
私がどこに行くにしてもしつこく追いかけてきて、
たわいもない話しをしてくれないだろうか。
3/12/2024, 3:04:07 PM
この世界をもっと知りたい。
この世の大半が、辛く厳しく、意味がありそうでなかったりするものであることは分かっている。ほんとうにうんざりしている。ただ、私にとって素晴らしく、かけがえのないものは、広い世界に眠っているのは間違いないのだ。掻き分けるしかない。注意深く、見失わないように。