『どうして』
どうして芸能人に清廉潔白を求めるのだろう。
自分だって、家族や恋人、友人、親戚、仕事仲間、後輩、先輩、客……見せる顔が全て違うのに。
どうして一方的に応援しているだけの存在に「純粋無垢で清廉潔白である」と思えるのだろうか。
2024/01/15――考え
『一筋の光』
――それはこの危機的状況を切り抜ける一筋の光だった。
…………あーあ、出たよ。このパターン。
ここまで絶望的に追い詰められ八方ふさがりの中、突如現れた救世主や突発的なひらめきで危機を脱するこのパターン。
せっかく面白い題材でよくできた構成だったのに。たかが〝一筋の光〟だなんて言葉でまとめてしまうのは浅はかすぎる。
そんな首の皮一枚繋がってるだけの状態なんてそうありはしないし、大逆転を起こせる奇跡なんてまずない。なのに、お手軽ハッピーエンドへの舞台装置を簡単に起動させてしまう人の多いことと言ったら。実に勿体ない。
作者に失望した私は本を閉じた。そして次に読む本を探す。
……しかし改めて図書館はいいものだと思う。時間の制限はあるが、好みの本を好きなように探せる。好みの作家に出会えることもある。素晴らしい場所だ。
とは言え、私は好みの作家どころか好みの作品にすら出会ったことがない。
……おそらく、私好みの作品は存在しないのだろう。
誰もがフィクションに希望を抱いており、理想を描いている。非現実な世界くらいは奇跡が起こる優しい世界であって欲しいと願っている。だから、この世の作品は〝一筋の光〟や〝大逆転〟とか〝唯一の希望〟で溢れているのだろう。
私はため息をついた。
好みが見つからない図書館で、今日も一筋の光を探し続けている。
2023/11/05――創作
『友達』
高校時代からの付き合いのある友達もいるし、職場で知り合いビジネスを超えて友達になった人もいる。オンラインゲーム友達もいるし、手紙アプリで知り合った海外在住の友達もいる。
行きつけのバーに行けば、よく見知ったいつもの顔がいつもの席に座っている。身も蓋もない、中身もオチもない他人の話に茶々をいれる関係。それもある種、友人だろう。
全て、本当の〝私〟だ。それは間違いない。
だけど全員に同じ顔をしているわけじゃない。
高校からの友人に仕事やキャリアの相談はできない。いや、しようと思えばできる。……けど、結婚や子育てで大変な中で「転職を考えてるんだけどどう思う?」だなんてあまりにも申し訳ない。相手は困るし、きっと「いいと思う!」「頑張って!」みたいなコメントしかしようがないと思う。だから。夫や子供の話の聞き手に回る。
ビジネスから友人になった人にも同じことが言える。仕事の愚痴やキャリアについて相談はしやすい。けど、家での困りごとは相談しにくい。仕事に係る以上、切っても切り捨てられない部分なのだが……。「家族に指定難病の人がいて生活大変で、どうにか楽になれる方法ないですかね」なんて言ったところで困惑するに決まっている。だから会社の悪口と希望を語る。
オンラインゲーム友達や海外の友達に関しては住んでいる地域が違うからそもそもリアルで会うことがない。だから、私がどんな容姿をしているか分からないし、都会と田舎じゃ生活水準が大きく違うから話がかみ合わないこともある。相談の種類は多いが、どれもこれも親身になってはもらえない。「手取り14万なんてありえない!!」なんて言われた日は何も言い返せなかった。
唯一、相談のジャンルを一切気にせず話せるのはバーだ。私が間違っていたら、それはおかしいと意見してくれる人がいる。逆にすごく応援してくれることもある。だけど誰一人として連絡先を知らない。きっとこの先も連絡先を知ることはないだろう。
「あー暇だなぁ」って独り言LINEを送っても大丈夫な友達が欲しかった。
「あー眠たい」っていう他愛ない言葉に返してくれる人が親以外に欲しかった。
2023/10/25――日記
『秋🍁』
あんなにも暑かったのに、仕事が終わった18時ころになると肌寒さも感じるようになったなぁ。
まあ、肌寒さと言っても私はまだまだ暑いなって感じるんだけれど‥‥。それもだんだんと無くなっていくんだろうなー