エレン

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2/2/2025, 10:36:39 AM

テーマ「隠された手紙」


もう、どれくらい経つのだろうか
あなたと別れて、会えなくなってから

あなたはいつもムスッとした仏頂面で
多くは語らない人だった。

私が作ったご飯を黙々と
文句も言わず、かと言って褒めもしない。
だけどその静かなあなたが好きだったの

娘たちも大きくなり、今はそれぞれ家庭がある。

だから、年に1回行事の時に
たまに実家に帰ってくる。

家族が勢揃いすると
決まってあなたの話になるのよ?

娘「お父さんいつも怖い顔して
全然喋らない人だったよね?」

息子「俺はまだ小さかったから覚えてないや」

「確かに多くは語らない人だったけど
私たちの事を1番に考えてくれてたのよ?」

娘「えぇ?あのお父さんが?」

「ほら、これ見てみなさい。」

私は成人した子ども達に
シンプルな柄の3通の手紙をポンッと出した

娘「これって?…お父さんの?」

息子「へぇ~こんなのあったんだな」

その手紙には成人した子ども達へ
今までに苦労させた事や感謝
どれだけ愛してるかなどを記された手紙だった。

押し入れの奥のおせんべい缶を見つけて
中を見てみると、それぞれの名前宛の
手紙が入っていてその手紙には
今まで父の心情がたくさん隠されていた。

「これは、お父さんが亡くなってから
家の遺品整理してる時にね?」

娘「そっか、お父さん恥ずかしがり屋だもんね」

「お父さんが仏頂面だったのも理由があるのよ?
実は、私達の事が大好きだったんだけど、
感情を出すのが不器用で恥ずかしがり屋だから
手紙と一緒に隠すようにしてたんだって!」

娘、息子「ウッソ~!」

その声に一緒に来てた
それぞれの子ども達も駆け寄ってきた。

孫A「ママどうしたの??」

孫B「父さんなにがあったの?」

「いいことよ😊 一緒に見よっか!」

アルバムの写真と手紙を見比べて
在りし日の父の思い出話に
花を咲かせるのでした。

2/1/2025, 10:39:47 AM

テーマ「バイバイ」


推し活。

それはハマるものの種類は違えど
いざそれを目にすると癒されて
興奮し、熱狂し、大好き!が溢れて
愛してやまないヲタクたちの尊い活動なのだ。

そして、私の推し活は
大好きなバンドのライブに行くこと。

曲はもちろんのこと
その人のビジュも最高!

声も大好き♡♡

バンドというものを知るきっかけは
ほんの些細なものだった。

何気なく見つけた動画で
彼らのMVを見つけると
体中にビビッと衝撃が走った。

きっとこの人達のこと
好きになる日は近い…と予感した。

そして、大好きになるまで
そう長くなかった。

元気な性格とノリの良さに
固定のファンも多い。

どんなに仕事があって忙しくても
仕事が終わったらすぐにライブハウスへと
向かうのがライブがある日の日課になっていた。


ある日のこと~


彼らが路上ライブをすると言うので
その場所までは電車で15分程なので
仕事を終えてすぐに、なんの躊躇もなく
電車に飛び乗った。

路上ライブは、予告もなく
いきなりSNSで告知されることがあり
いつ、どこで行われるか誰にも予想がつかない。

時には都内から出た秘境の地へ呼び出され
駅に着いた頃には、最終電車も無く
帰れないなんて事もしばしば…で
翌日が仕事で帰らないといけない時は
仕方なく、タクシーで帰る。

もう、損したっていい。
好きなんだから仕方ない。

こんな事辞めてよ~!なんて言いつつも
本当は頼りにされて嬉しいなっていう
都合のいい女思考でクズ男を
生成する未来が…(苦笑)😅

そんな雑な扱いされてようが
ファンを大事にしてくれてるのは
伝わってるし分かってるから
彼らに付いてくるファンもそれなりにいる。


メンバー達との別れ際

「じゃあ、帰るね!バイバイ👋✨」

推しメン「A!〇〇帰るって~!」

推しメンA「そっか~、気をつけてな!」


こうやって見送ってくれるから
ちょっとだけ、雑にされても
許せちゃうんだよな💦

本当、推しには甘くなっちゃうな
(´Д`)ハァ… 今日も推しが尊い💕✨

1/31/2025, 12:20:47 PM

テーマ「旅の途中」


僕らは、みんなそれぞれ
違う道を歩み続ける旅人。

生まれ育った場所も
価値観もそれぞれ違う。

何もかもが違う他人同士が
奇跡のタイミングを詰み重ねて
出会いと別れを繰り返し、成長する。

偶然?運命?
それは、誰にも分からない。

星の数ほどいる人の中で
あなたに出逢えた奇跡は
何にも代えがたい人生の資産なのだ。

毎日、何気なく生きる。
家に帰るとあなたが待っていて
一緒にご飯を食べて、眠り、朝を迎えて、
仕事に行き、お金を稼ぎ、一日が暮れてゆく。

普段のつまらない程の何気ない日常は
全てが当たり前じゃないんだ。

当たり前が崩れ去った時
ゆるく生きられていた事が
どれだけ幸せだったかを実感できるんだ。

まだまだ旅の途中。
だけど、その終わりは
突然やってくるかもしれない。

日々過ごす中で
誰かに伝える感謝は
たくさん言っても損は無いものだ。

1/30/2025, 11:40:55 AM

テーマ「まだ知らない君」


ぼくは、学校が嫌い。
勉強よりも休み時間が嫌い。

高校に行くのが毎日億劫。

毎日教室に入ると
僕はいないものとして扱われる
空気のような存在。

別に目立ちたくないし
友達なんて要らないから
そんなのどうでもいいんだけど
その中でも1番苦手なのは

同じクラスのギャル。
友達が多くてうるさいぐらい元気で
いっつも明るすぎる、いわゆる陽キャ
先生にいくら注意されても気にも留めない。

なんでも適当でいい加減。

そんな彼女を敬遠してた。


ある日のこと~

休み時間、いつものように
窓際の一番後ろの席で本を読んでると
ギャルがぼくの前の席に座ってきた。

ギャル「ねぇ!何、読んでんの?」

「〇〇っていう人の推理小説だよ」

ギャル「へぇ~ あんた、そういうの好きなんだ笑」

その日から毎日、ぼくを見つけては
よくギャルに絡まれるようになった。


~昼~
1人でお弁当を食べていると
ギャルが来て

ギャル「これ、もーらいっ!」と
卵焼きを指で掴みポイッと口に運んだ。

「えっ… ちょっ💦」

ギャル「美味っ!これあんたが作ってんの?」


~放課後~


ギャル友たちが教室で

男友A「今日この後、カラオケでも行こうぜ!」
男友BC「おう!いいじゃん笑笑」
男友A「お前も行くだろ?」と

ギャルに目をやり話しかける

すると…

ギャル「ごめん、パス」と
そそくさと帰って行った。

男友A「なんだよ、あいつ最近ノリ悪ぃな」

ぼくはそんなやり取りを
若干、気にしつつ教室を後にした


翌日~

いつものようにギャルに絡まれる
1日で、もうクタクタ💦


家までの帰り道、
途中の居酒屋から偶然
出てくるエプロン姿のギャルが出てきた

(あれ…あのギャルって…
いつも絡んでくるアイツだよな…)

彼女は家の生計を立てるため
学校が終わってすぐ毎日バイトしていた。

あのいい加減な彼女からは想像がつかない
真剣な眼差しで一生懸命働いていた。

毎日おかずを持っていくのにも
色々絡んでくる行動にも説明がつく。
いい加減なフリをしてお金が無いのを
必死に隠そうとしてたんだな…

そう思うと、ぼくは
翌日から自然とお弁当を2個作ることにした。

あのギャルは驚いてたけど
僕が作ったお弁当を美味しそうに頬張ってた

学校とバイト。
それぞれの場所で作ってたキャラ。
本当は良い子だって事を
みんなは知らないだろうな…

傍から見たら
ご飯をたかられてるだけだし笑

もしかしたら、まだ知らない君が
存在するのかもしれない…と
今まで遠ざけようとした自分を恥じた。

1/29/2025, 12:41:27 PM

テーマ「日陰」


頭がクラクラするほどに
ガンガンと照り付ける太陽

そんな真夏のこと。

日陰に入って少し休憩。
冷たいスポーツドリンクが
体の隅々まで行き渡り、細胞が喜びだす 。

汗をたくさんかいて、日焼けした肌と
服と肌の変な境目で夏を感じる。

容赦なく照りつける太陽が
いつまでも夏を終わらせまいと
私たちを離してくれない。

夏の夕方はヒグラシの鳴き声が切なく物悲しい。

あぁ… 今日も日が暮れてゆく。

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