テーマ「さぁ冒険だ」
幾度の難をくぐり抜け
現世の荒波を超え
人生を終えて
次に待ち受けるのはどこなのか?
さぁ、第二の冒険だ
閻魔大王様の審判を受け
長い長い期間の試練を
乗り越えて辿り着く先は
天国か?地獄か?
嘘のような本当の話。
私が幼い頃、亡くなった人達は
厚い雲の上で楽しく宴会してると
本気で思っていた。
晴れて雲が無い日は
今日は居ないんだ…と
勝手に悲しくなっていた。
それから飛行機に乗って
旅行する機会があり雲の上に出た時
目の前の光景は白くふわふわで厚くも
綺麗な雲海がただ、広がっていただけだった。
それなら死者達はどこに行ったのか?
もしかしたら本当に天国は存在していて
そこで楽しく現世と変わらない姿で
過ごしてるのかもしれない。
そして今日もまた、ふと真っ青な空を見上げ
大切な人達の在りし日の姿を思い浮かべ
微笑むのだろう…。
テーマ「君と見た虹」
いつもキラキラと
輝いてたあの日
それはそれは
何物にも代えがたい
ただ、ひたすら感動し涙したのは
君と見た虹
それは美しい眺めだった。
珍しくない風景だけど
あなたと見る風景だから
ひとりで見る何倍も美しかった
また、ここで会えるといいな
この虹を渡っていったあなたが
その先で待ってくれている事を願って
今日もまた、フワフワと流れる雲を見上げて
私に微笑みかける君に思いを馳せる。
テーマ「ひそかな想い」
消えそうな灯火が
フッと消えて
あなたが亡くなってから
もう何年経った事でしょう
あなたが居なくなった世界は
実感が湧かなくて、何事もなく
今にも帰ってきそうなのです。
当たり前にあった日常に
あなたの姿だけが見えなくて
いつもあなたの姿を探してる
帰らないあの日々
楽しかった思い出
アルバムには収まりきらないほどの
写真と思い出の数々。
交わした約束
何気ない会話
あなたに寄せたひそかな想いと
大切な存在だという想いは
何年、何十年経っても
私の中で消えることはありません
テーマ「あなたは誰」
ある日、いつものように目覚めると
病院のベッドで寝かされていた。
真っ白の天井と何も無い部屋
医者らしき人と看護師らしき人が
僕に話しかける
医者「君の名前、言えるかな?」
「えっと…」
思い出そうとすると頭に激痛が走る
「いっ…てぇ 僕の名前分からない。」
医者「ここは病院で君は交通事故に遭って
記憶喪失になってるようですね」
「そ、そんな…」
すると、
一人の女性が病室に入ってきた
女性「事故に遭ったって聞いて急いで来たの!」
「えっと、…あなたは誰ですか?」
女性「本当に、私のこと忘れちゃったの?」
「僕と、どういう関係なんですか?」
女性「あなたは、私の恋人で婚約者なの」
「こんな綺麗な人が恋人だったんですね」
女性「えっ…誰が??」
「あなたですよ。僕にはもったいないです。」
女性「以前のあなたに褒められた事が無くて
いつも暴力振るわれてばかりで
私には自由が無いんです。」
「そんな酷い事を…。覚えてないとはいえ
以前の僕が本当にすみません。」
それから彼女は毎日
僕の病室へ見舞いに来た。
過ごすうちに彼女の事が
また、好きになっていった
彼女が見舞いに来たある日のこと
「あの!まだ記憶は戻らないけど
僕と付き合ってくれませんか?」
僕には彼女しか居ないと悟った。
女性「もちろんです!新しい2人の思い出を
これから上書きしていきましょうよ」
一瞬、彼女は驚いた顔をした後
ニコッと嬉しそうに笑った。
テーマ「手紙の行方」
最初で最後の手紙
きっと返事なんて返ってくるわけ無い
そんなことは分かってる
だけど、つい期待してしまう
20年前にあなたから渡されたラブレター。
もし、その時に愛する人が居なかったら
パートナーになってくれと書かれていた手紙。
お互いに同級生で
中学を卒業後、高校は別々の所に進学し
そこからずっと音信不通。
今、あなたは何をしているの?幸せですか?
まだ私のことを想ってくれていますか?
聞きたいことがたくさんある。
少し淡い期待を胸に
20年前に約束した場所に
久しぶりに行ってみると
1人の男性が椅子に腰かけて
本を読んでるようだった。
それがラブレターの彼で
当時の約束を覚えてるようだった。
お互いに見た目が随分変わってしまったけど
あの頃、愛おしいと思ってたあなたは
優しいあの時のままだった。
彼も私のことを分かってくれてるみたいだ
20年の空白を埋めるように
時間を忘れて夢中で語り合った。
その日、連絡先を交換した
彼は5年前に恋人に振られ
恋は一休みなんだという。
私も似たような感じで
つい、笑っちゃった
そこからトントン拍子で話が進んでいき、
毎晩ご飯に行ったり飲みに行く仲になった。
返って来ないラブレターの行方は
もしかしたら神様がもう一度
私たちを引き合わせてくれる
きっかけだったのかもね。
この時、止まった2人の時間が
再び動きだした瞬間だった。