テーマ「帽子かぶって」
私には、10歳離れた姉がいる。
母子家庭で仕事で忙しいお母さんの代わりに
お姉ちゃんが私の面倒をみてくれた。
お姉ちゃんは高校生で
本当はやりたいはずの部活にも入らず
いつも私を優先してくれたお姉ちゃん
お姉ちゃんが学校を終えてすぐに、
幼稚園に迎えにきてくれる。
姉「晩ごはん何食べたい?」
「ハンバーグがいい!!」
姉「よしっ!じゃあ手伝ってね😊」
帰宅して仲良く調理。
そして夕飯~
いびつな形のハンバーグ
大きさバラバラだけど
一生懸命作ったご飯は格別だった。
~翌日~
母「今日、3人でお外にご飯でも食べに行こうか?」
姉「え?お母さん、仕事は?」
母「休みにしてもらったの」
「私のせい??」
母「ううん。お母さん最近、仕事が忙しくてね
なかなか あなた達と過ごす時間を作れなかったから
たまには良いと思ってね」
姉「ホントにいいの?⤴︎」
「わぁーい!今日は、ママと一緒なの?」
母「そうよ🥰お姉ちゃんごめんね
いつも妹の面倒ありがとうね」
姉「いいよ、そんなの…(照)」
2人は母に買ってもらったお気に入りの
帽子をかぶってお揃いのワンピースを着て
久しぶりのお出かけは楽しくて3人で行った
ファミレスは、2人にとって最高の思い出に
なったのでした。
テーマ「小さな勇気」
私は、電車通いの大学生。
毎朝決まった時間に家を出て
駅の改札を抜けると、いつも見かける
顔見知りの人達が電車を待っている。
私が住む場所は田舎である為
駅の利用者も少ない。だから
顔を合わせる人は大体いつも
決まったメンバーなので
何となく把握してる。
顔見知りと言っても
お互いの名前も知らないし
特に会話を交わす事は無い。
毎日、駅で顔を合わせるだけの関係。
~そんなある日のこと~
いつものように最寄り駅に向かうと、
車椅子に乗った女性とヘルパーさんという
この辺では、まず見ない組み合わせを見て
珍しくも新しい刺激に少しワクワクしていた。
その日から女性とヘルパーさんは
決まった時間に毎日、駅のホームで
見かけるようになりその人達を見つけるのが
私のひそかな楽しみになった。
それから、3週間後~
その日、私は学校が休みで
少しお出かけしようと
いつもの駅に来ていた
すると、いつも見る車イスに乗った女性も来ていた
何となく彼女の事を気にしつつ、
電車に乗りこんだ。
それからしばらくすると
私が目的の駅に着いて降りると
同じ駅で彼女も降りていた。
駅を降りて改札を出て
彼女は少し、困ってる様子だった。
いつも隣にいるへルパーさんは見当たらず
今日は1人でお出かけの様子。
私も同じ駅に用があるし
声かけてみようかな…?
私は、車イスの女性に駆け寄ってみた。
「あの、何かお困り事ですか?」
思いっきって声をかけてみた。
彼女「はい。この道、車イスが通るには
少し狭いから動けなくて…💦」
「目的地まで車イス押していきましょうか?」
彼女「お願いしていいですか?」
それから彼女と色々話した。
・彼女の出身が私と同じ地元だということ
・東京に在住だったが病気の為、地元に帰ってきて
毎朝、電車でリハビリ施設に通ってるという事
・まさかの、2人とも同い年だったという事
・毎朝、見掛けてからお互いに気になってたという事
・今日は、たまたまヘルパーさんが
体調を崩して来られなくなったという事。
彼女とあれこれ喋るうちに
すっかり仲良しになった。
目的地に彼女を送り届ける頃には
連絡先を交換し、その日から私達は
時々、遊びに行く仲になった。
私と全然違うからって敬遠しないで
えいっ、行ってしまえ!って気持ちで
人と関わってみないと分からない事が
たくさんあるんだね。
私の小さな勇気を振り絞ってみたら
こんなに素敵な友達が出来ちゃった笑
これからも彼女や、街で困ってる人を見かけたら
気軽に声ををかけて誰かの役に立てたらな…
って思ってるのもあるし、
もっと仲良くなりたい!って気持ちもあったから
私、ヘルパーの資格を取得したの(ت )
そしたら彼女、そこまで考えてくれる人に
初めて会ったって泣いちゃった笑
テーマ「わぁ!」
私は外の世界に出たことが無い。
5歳の頃に心臓の病気になった。
走ると心臓に負担がかかる為
自分の足で長時間歩いたり、走ったり出来ない
その為、足は歩けても基本は車椅子を使っている。
小さい頃から過ごしてる大部屋の病室。
ここが私の第2の家のような場所。
お医者さんも看護師さんも
みんな優しくて親切。
担当の人が変わるのが少し、寂しくもあった。
小児病棟はいつも騒がしくて
おしゃべりな子も多い。
みんな、私と同じ病気を持っていて
大部屋の子達とは長い付き合い。
同世代の子たちがいるから
学校に行けなくても寂しくない
しゃべり相手は若い男性の看護師さん
小学生相手にも、ちゃんと話してくれる
近所の優しいお兄ちゃんって感じかな?笑
最近、私の体調が良くて
数値も安定してるからと
担当医から外出の許可が出た。
私は、家と病院以外に行くのは
滅多にないからワクワクしていた。
翌朝~
どこに行くかは
まだ、親から知らされていない。
嬉しさと不安が混ざったような感情で
車に乗り込んでずっとソワソワしていた
母「着いたわよ~!」
「???ここ…どこ?」
母「あなたが行きたいって言ってた所よ」
「まさか、遊園地??」
母「えぇ!そうよ(*´︶`)」
「わぁ!❀(*´▽`*)❀ 嬉しい!!」
母「車椅子に乗る事は、担当医の先生との約束よ?
万が一のために看護師さんにも来てもらってるからね」
思いっきり…!とは、いかなくとも
彼女にとって楽しくて忘れられない1日になった。
テーマ「終わらない物語」
絵本のページを開くと
絵が無くて文字も無い
ただ、真っさらな紙。
この物語は、好きに描ける
私の私による私のための物語。
絵本の中は自由。
人が空を飛んだり、空中を歩いたり
宇宙まで行けるエレベーターがあったり
海底の中で深海を歩いて魚と友達になったり
動物たちとお話したり
過去や未来に時間旅行したり
時間を自在に操ったり
瞬間移動したり、
嫌な記憶を瞬時に良い記憶に書き換えたり
なんでも出来る。
絵本の世界は自由。
どんなヒーローにもなれるし
これは、頭の中にある
こんなのやりたいな…っていう
ありえない!が当たり前に存在する世界。
人生もそう。ありえないから
やらないんじゃなくて
やれなくてもやってしまえ!!って
1回きりの人生を楽しんでしまいたい
なんでも諦めない限りゴールは無い。
この物語は見る人の
人生によって中身が変わる絵本。
終わりは自分で作る絵本です。
なので、初めから最後まで白紙です。
絵も文字も無い製本です。
この終わらない物語は、
あなたが描きたいように描いて
真っさらなページを夢と希望で
たくさん埋め尽くしてください。
テーマ「やさしい嘘」
あなたは意地悪。
付き合いたての頃は
連絡もマメでよく私を気遣ってくれた。
仕事で落ち込んだ時には必ず
よく私をご飯に連れて行ってくれたよね。
そして、気が済むまで愚痴を聞いてくれた
あなたが私の心の支えになってくれた。
~付き合って3年後~
付き合って同棲し始めた頃から
あなたは変わってしまった。
冷たくなったあなたの態度。
同棲した途端、彼は笑わなくなった。
まともな会話すら無くなった。
仕事で遅くなるのだと言ったあなた。
他に女がいるのかも?と密かに浮気を疑った。
そんなある日~
彼の入浴中にスマホを盗み見た。
あなたがいじってるの見た事があり
パスワードは把握済み。
しかし、スマホに女性との怪しい
やり取りは見当たらない
そればかりか身内以外の
女性の連絡先が一件もない。
毎日、日をまたぐ頃に帰ってくる彼。
彼「ただいま。」
その声に目が覚める。
「おかえり。」
彼「 あのさ、話があるんだ… 俺と別れてくれ。」
「どうしてよ…!私のどこがダメなの?」
彼「ごめん。もう君とは無理なんだ
だから他の男と幸せになれよ。」
5年間、同棲した彼から
その日の深夜に突然、別れを告げられた。
後日~
彼の部屋にまとめられてた
私の荷物が彼から届いた。
それから半年後~
仕事で同棲ハウスがあった地域に来ていた私は
少し懐かしく思って、家に寄ってみることにした。
が、しかし… 彼はすでに退去していた。
彼の行方が気になった私は
翌日、探偵さんに調査の依頼をした。
その後 連絡が来て
急いで探偵事務所に向かうと
ある真実を告げられた。
探偵「あなたの彼氏さんですが…
心の準備はよろしいですか?」
神妙な面持ちでそう告げた。
「はい。どんな事でも受け入れます。」
探偵「彼氏さん、今は
仕事を辞めてここにいます。」
白い建物がある敷地の中庭で
車椅子に乗った男性を押す職員の
1枚の写真を目の前にスッ…と差し出された。
探偵「ここは、末期ガン患者の
終末期医療の施設です。」
その言葉と写真で現実が飲み込めず
固まった。
「え?末期…ガン?そんなの…わたし。」
ガリガリに痩せてる男性が別人のように
思えたが、弱々しい笑顔は付き合った頃の
あの優しかった彼そのものだった。
一人で必死に痛みと闘い、通院しながら
今まで私に隠してたんだね…
正直で真面目なあなたがついた
最初で最後の精一杯のやさしい嘘。
今まで気づけなかった自分への怒りと
彼への申し訳ない気持ちで涙がとめどなく流れた。
探偵に施設の住所を聞いた後、
探偵事務所を出ると私は彼に会う事にした。
翌日、私は例の場所へ
私を前にした彼は驚いた顔をして
力無く笑った。
彼「どうして、ここに?」
「探偵さんに依頼したの…私、あなたの事を何も
分かってなかった。今までごめんなさい。」
彼「なんで謝るの?俺が振ったのにさぁ…」
「それは私のためでしょ?もう知ってるんだからね?
幸せにしたいと思ったから、私を振ったんでしょ?
だから、罰として私に最期を看取らせてよ
今度は私があなたの支えになりたいの」
彼「分かった。ありがとう。」
それから時は経ち~
その時は突然に来た。
彼は憑き物が落ちた満足したような
柔らかい表情で愛する彼女に
看取られながらこの世を去った。