テーマ「まだ知らない君」
ぼくは、学校が嫌い。
勉強よりも休み時間が嫌い。
高校に行くのが毎日億劫。
毎日教室に入ると
僕はいないものとして扱われる
空気のような存在。
別に目立ちたくないし
友達なんて要らないから
そんなのどうでもいいんだけど
その中でも1番苦手なのは
同じクラスのギャル。
友達が多くてうるさいぐらい元気で
いっつも明るすぎる、いわゆる陽キャ
先生にいくら注意されても気にも留めない。
なんでも適当でいい加減。
そんな彼女を敬遠してた。
ある日のこと~
休み時間、いつものように
窓際の一番後ろの席で本を読んでると
ギャルがぼくの前の席に座ってきた。
ギャル「ねぇ!何、読んでんの?」
「〇〇っていう人の推理小説だよ」
ギャル「へぇ~ あんた、そういうの好きなんだ笑」
その日から毎日、ぼくを見つけては
よくギャルに絡まれるようになった。
~昼~
1人でお弁当を食べていると
ギャルが来て
ギャル「これ、もーらいっ!」と
卵焼きを指で掴みポイッと口に運んだ。
「えっ… ちょっ💦」
ギャル「美味っ!これあんたが作ってんの?」
~放課後~
ギャル友たちが教室で
男友A「今日この後、カラオケでも行こうぜ!」
男友BC「おう!いいじゃん笑笑」
男友A「お前も行くだろ?」と
ギャルに目をやり話しかける
すると…
ギャル「ごめん、パス」と
そそくさと帰って行った。
男友A「なんだよ、あいつ最近ノリ悪ぃな」
ぼくはそんなやり取りを
若干、気にしつつ教室を後にした
翌日~
いつものようにギャルに絡まれる
1日で、もうクタクタ💦
家までの帰り道、
途中の居酒屋から偶然
出てくるエプロン姿のギャルが出てきた
(あれ…あのギャルって…
いつも絡んでくるアイツだよな…)
彼女は家の生計を立てるため
学校が終わってすぐ毎日バイトしていた。
あのいい加減な彼女からは想像がつかない
真剣な眼差しで一生懸命働いていた。
毎日おかずを持っていくのにも
色々絡んでくる行動にも説明がつく。
いい加減なフリをしてお金が無いのを
必死に隠そうとしてたんだな…
そう思うと、ぼくは
翌日から自然とお弁当を2個作ることにした。
あのギャルは驚いてたけど
僕が作ったお弁当を美味しそうに頬張ってた
学校とバイト。
それぞれの場所で作ってたキャラ。
本当は良い子だって事を
みんなは知らないだろうな…
傍から見たら
ご飯をたかられてるだけだし笑
もしかしたら、まだ知らない君が
存在するのかもしれない…と
今まで遠ざけようとした自分を恥じた。
1/30/2025, 11:40:55 AM