志新蒼心

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5/17/2023, 3:18:00 PM

真夜中

夜の帳が下りた頃

辺りは何も見えなくて

町並みはがらりと様子を変え

1寸の先さえも分からぬまま

人々の喧騒は消え

いつもなら聞こえない音すらも顔を出す

光すらも見えないこの道で

ただ彷徨う

いつもの道もまるで違う道の様に

少しの不安と焦燥が何処か刺激的で

あてもなく歩く

ふと空を見上げてみると

いつもは町灯りに光を奪われてる粒が

今は夜の帳を彩る

幻想的なこの空に心が奪われ

さっきまでの不安や焦燥は無くなり

感動と希望に満ちてゆく

空を見上げているこの時だけは

現実を忘れさせ

時間の概念すらも無くなっていく

気がつけば夜明けが近づき

いつもの様相へと戻って行き

また現実へと戻ってゆく



5/14/2023, 3:12:32 PM

風に身をまかせ

気の向くままに

漂ってゆく

草木の匂い

潮風の匂い

乾いたコンクリートの匂い

幾度の匂いが通り過ぎ

幾度の月日を思い出す

あの頃の面影がセピア色になってよぎり

あの時と変わらない風景

少しずつ変わっていく町並み

過去と現在が混ざり合い

その月日の重さに気づいてく

ただ日々が雲のように風に流されて

あの時の理想とは程遠い

今を生きている

そして風に身をまかせ

辿り着く先はいつもの居場所

5/7/2023, 2:51:57 PM

初恋の日

それは意図せずやってきた

まだ幼いながらに初めて他人を好きだと思った

肉親ではない

育ってきた環境も違う

性格だって違う他人を

初心な気持ちで

愛おしいという感情すら分からないけど

今思えば愛おしいという感情

傍に居たい

知りたい

触れていたい

初めての感情を抱き

心が揺れ動いたのを感じた

その日から見える景色が確かに変わっていったんだ

その子の言動や行動に

一喜一憂し

何故かその子が居ると力を貰えた

それと同時に痛みや辛さを知った

色んなことに心が動き

色付いては色褪せて

あの時の自分は何でも出来るような

そんな無敵な気持ちだった

今でも鮮明に君を想い出す

何年も何十年経った今でも

もう会うことは無いけれど

何処かで幸せに暮らしているのだろうか

懐かしい香りが漂う日に

そんな事を想い出し

密かに微笑みながら

あれは確か初恋の日だったと



5/6/2023, 6:42:36 PM

明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。

何も考えず欲しいものを買い占めよう。

美味しい物をたらふく食べよう。

好きな人に告白しよう。

友達と朝まで一緒に遊び尽くそう。

大切な人とずっと傍にいよう。

今まで言えなかった事をぶちまけよう。

やってはいけない事を片っ端からやってみよう。

どうせなくなるのだから何もしない。

色んな願い、想い、そんな事を思いながら

1日を過ごす

世界がなくなる時初めて色んな事が出来る事に気づく

終わる前から可能性はいっぱいあったはずなのに

願うだけで行動に出す勇気が無くて

終わる時にその勇気が出る

1日1日を最後の日だと思いながら過ごせてたら

何か変わっていたのか

多分大抵はいつも通りになるんだろう

それが自分の、人の弱さなんだとひしひしと感じる

明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。

願いながら多分いつも通りの日常に帰結するのだ。

そして、世界はなくなるのだ。

4/16/2023, 4:03:52 PM

ここではない、どこかで出逢えていたら

また違う関係性だったのかもしれない

価値観や趣味も似ていて

好きな物も好きな場所も同じで

あなたと居ると毎日が色付いて

こんな風にずっと居れたらどんなに幸せだろうか

そんな事をいつも思っていた

あなたと居る日々が

年を重ねる事にどこか窮屈で

すれ違いが大きな溝になっている事に

その時が来て理解した

始めはあなたが最後でいいと思えた

でもいつしか価値観が変わって

あなたを見る目も変わって

お互いに変わってない筈なのに

お互い変わったと言い合うようになり

そして終わりを迎えた

でも今はあなたを想い出して思う

もしここではない、どこかで出逢っていたら

多分今の私は居ないんだと

あなたと過ごした毎日は

今の私という成分の1つの要素になっていて

多分必要な出逢いだったんだと

もし同じ様な人生なら

またあなたみたいな人と出逢い

多分その時は

ここではない、どこかで





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