れい

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3/20/2026, 11:26:08 AM

(夢が醒める前に)※実話

この世界は綺麗だ。いい人たちで溢れてる。

あの人の紫の靴下と私の縞模様のシャツは一緒。

監視カメラはこちらを見て、肌にはチップが埋め込まれている。

夜には二錠のお薬。

ふと、母が言う。

「…大丈夫?」

怒り狂う私。

世界がとても綺麗に見えた半年間。


発症から半年後、継続していた薬が功を奏して、私は夢から醒めた。

統合失調症。恐ろしくも楽しかった。

3/18/2026, 8:56:44 AM

(泣かないよ)
「うわぁぁん。ままぁ。」
「いってらっしゃい、お預かりしますね。」

朝の保育園は大騒ぎ。4月になって新しく保育園に入園されたお子さん、もとい、新入園児さんたちはママと離れるときに涙をこぼす。

「さみしいね。ママ、お仕事なんだって。」

腕を必死に玄関のほうに伸ばし、私の腕の中で大事にくるまれているその子は、まだ涙をこぼす。

「さみしいねぇ、さみしいねぇ。だいじょーぶだよ。」

背中をトントン、スリスリとさすると、少し息が整った様子だ。

泣かないよ、なんて言わない。寂しい気持ちがわかるから。
だから、その分、気持ちに寄り添って、安心できる環境を作って、そして、子どもたちが笑顔で過ごせる場所にしたい。

「あはは、もう遊んでる!」

いつの間にか、腕の中からゆっくりとおりて遊び始めたその子に思わず笑ってしまった。
ゆっくり、ゆっくり、この場所で過ごして、慣れていこうね。

3/15/2026, 2:14:23 AM

(安らかな瞳)

「別れましょ。」
その一言で、俺の人生は狂ってしまった。

最愛の彼女は一方的に別れを告げ、去っていく。
その、手には、顔には、身体には、傷の数々。

許さない。許さない。俺から離れるなんて、絶対に許さない。

今でも、フラッシュバックする。
彼女の顔は、ただ、安らかで。

2/24/2026, 10:55:05 AM

(小さな命)
子ども特有のきゃらきゃらとした笑い声が好きだ。
だから、保育士になった。

私の担当する子どもたちは、まだ産まれて1年かせいぜい2年ほどなのに、案外、意味のある言葉を喋って、目を見て、話をして、笑ってくれる。

「せんせぇ。」

ほら。

「どぅしたの?」

「あのねぇ、これ。」

「んー?あぁ、赤色のぶーぶだねぇ。持ってきたの?」

こくりと頷く貴方。

「そうなんだぁ。あ、ちーちゃんにも見せてみる?」

きゃらきゃら。

小さなお友だちはもう1人を見つけ、目を見て、笑って、楽しそうにしている。

大切な子たち。大好きな子たち。
守りたい、小さな、命。

「せんせぇ!みてぇ〜!」

「あれ、先生にも見せてくれるの?ありがとぉ〜!綺麗な色だねぇ。」

あなたたちの世界に触れて、時々、泣きそうになる。
とても綺麗で。

2/17/2026, 7:44:37 AM

(誰よりも)
全員に平等なところが私の唯一の取り柄。
人のいい笑みをまき、助けを求める人には手を差し伸べられる。
ちゃんと平等に愛せていた。
そんな私を、私は好きだった。

でもね、私は、誰よりも大好きな人ができてしまった。

特別、可愛く見える。
特別、優しく見える。
特別、輝いて見える。
特別にうんと特別だった。

…呑気な顔してるけど、貴方だよ。

「え、そうなの?」

「そう。」

私の言葉を反芻し、可愛く笑う貴方にクラクラする。
そういうところ。

「引いた?」

「ううん、嬉しい。」

こういう返しができるところがどうしようもなく好き。

「あのね、」

「うん。」

「私ね、特別、貴方のことが好きだよ。」

「あはは、光栄すぎるかも。」

「貴方はどう思っているわけ。」

顔を覗き込んで、目を見つめる。
ふと、貴方は目を細めて、本当に楽しそうに笑った。

「貴方には、誰よりも私のことを想っていて欲しいって思っているよ。それくらいには、好き。」

「…私、平等主義なんだけどなぁ。」

誰よりも特別な貴方へ。
いつか、貴方の特別が私になるように、頑張らせてね。

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