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11/5/2024, 10:01:10 AM

哀愁を誘われるより、自分の方が疲れてるんだよ……とか、勝手な不幸合戦を始めてしまう。
人に同情したり、相手の身の上に思いを馳せるには、自分に余裕がない、のは判っていたけど、自分を卑下して更に下げることの方が哀愁を誘うよな

11/4/2024, 6:40:03 AM

鏡の中の自分は、随分と歪に唇を吊り上げていた。
一瞬経って、下から人の顔色を窺うような卑屈な視線が捉える鏡像は、それが下手な己の笑顔だと気づいた。
いつから、人の機嫌を取るような愛想笑いが、顔に張り付いたんだろう?
学校? 職場?
笑顔もだが、怒りや悲しみの表情に顔を動かしてもぎこちない。
普段から表情筋、こんなに動かしてなかったっけ。
頬や唇を意識して動かすと、違和感がひどい。
あ、スマホを毎日いじって下ばかり向いてばかりいるから、顎の下にお肉が垂れ下がっている。太ってもないのに!
悲鳴を上げてる心を無視して日々を無理くり過ごしているけど、鏡の中で主張している自分はSOSを発信している。
見てみない振りしていたけど、やはり自分を大切にしなくちゃ駄目かあ

10/31/2024, 9:44:16 AM

「懐かしく思うこと、かあ……」
「何かある?」
「こうは言いたくなかったが、昔は良かった……」
「出た!常套句!」
「(無視して)……昔は良かった。
夏は30度越えたら大騒ぎするくらい少なかったし、春や秋も長かったし、ゲリラ豪雨なんて言葉も生まれる必要がなかった。
値上がりもそうだけど、そもそも消費税なんて無かったんだよ?
お菓子の量とか弁当の容量も、全然削られていない、ボリューミー。
他にも税金がね……略」
「……それ、私たちからすると信じられないんだけどね」
「まあ、そういうのは置いておくとしても、懐かしく思うことと言ったら、亡くなったお母さんの手料理とか、今はもう潰れた町中華屋さんのラーメンの味とかキリがないよ。
もうこの年になると、懐かしく思うことばっかりだよ」

10/30/2024, 9:43:55 AM

「もう一つの物語が始まっちまったな……」
「新しい悩みが生まれる度にそういうの、止めない?」
「ばっか、お前、悩みがまた一つ増えたと重く考えるより、違う言葉で言い換えた方がいいだろ。
増えた悩みは、新しい物語き始まる! とか考えた方がかっこいいだろ!」

10/28/2024, 9:40:40 AM

「紅茶の香り?……そういやするな、そんなもん」
「ウッソでしょ!!?」
信じられないものを見る顔で、久方ぶりに会った友人はのけ反った。
「じゃあ、あんたは何の為に紅茶を飲んでいるのよ!?」
「……眠気覚ましの為、カフェイン摂取」
目の前の友人はイギリス人じゃないのかと、毎回思う程に紅茶に拘っている。
ちなみに、目前の人物は純粋な日本人の日本育ちである。
コーヒーはブラックだと苦くて飲めない。
ではカフェイン作用のある紅茶と緑茶、簡単に淹れられるティーバッグだと紅茶の方が安く一度で大量に手に入りやすいから、紅茶を愛飲している。
---ということを説明すると、深い溜め息をつかれた。
「……あんたはまず、わたしが淹れてあげた紅茶の香りを嗅いで、味を堪能して一服なさい」
飲み終えたら、紅茶屋に茶葉を買いに行くわよだの、仕事の量を減らしなさいなど、友人の懐かしい世話焼きが発揮された。
アレやコレやと世話焼き砲を聞き流しながら、友人作の紅茶に映るわたしの顔は笑っていた

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