晴ればっかり好きなわけじゃない。って言ったらちょっとは嘘になるけど、雨宿りの時間まで嫌いになったわけじゃなかったよ。君のいなくなった公園の向こうに、明るい未来があるんだって君は信じてる。
桃色の風船みたいに膨らんでふわふわ浮いて、い続けるために弾けるまで笑って足を絡めて転んでも笑っていた。どこまで行っちゃうの?「幸せにしよう。」なんて結構手酷い宣告なんだとしたら二人の間に傘は必要なんだろうか?
止まない雨なんてないんだって。「この雨が辛いんだよ。いつまで降り続くのかわかんないんだよ。」それでも絶対終わるんだって。こんなの永遠じゃないんだって。
覚えていないことが多いから、持っているものが少ないのかもしれない。眠っている間のことを覚えていないみたいに、目を覚ますときなにか失くしていくとしたら?吹き消したケーキの蝋燭。かつて緑だった冠。手を繋いで歩いた小道。旧い友人。幼い日の約束。あったんだろうか、私にも?大切だったもの、なんかが。
鏡を眺めて笑顔になれるなら悲しい思いはしないかもね?少なくとも一人の心が楽になる魔法なら意味はあるかもね。Mirror mirror on the wall, who's the stupidest of them all?この問いに意味があるって思うなら真意は不幸だろうね。
(ほんとうのことはほんとうすぎるから、無意味なものとかわらないのかも?)
「Q.水面に映した自分の心は恥ずかしいものじゃないですか?」A.恥ずかしいものだったとして今更それをどう変えたらいいんですか?
ああ、仲良しこよしが平和ならばきっとイジメが消えることはないな。真実なんて力を持たないし、虚像をずっと信じていられたらいいなあ。みんなのためにが正義ならばきっと戦争が終わることはないな。どこに汚れぬ雪などあろう。他を汚さないのなら。
やあ、やあ、今夜はお祭りだ!足を運ぶ億劫を追い越して、一夜の夢ふと気付けばお釣りに残るは切ない郷愁だ。
それでもいいんだろう?蝉の音の途絶えた山下にぞろぞろ群れる人、人、人じゃない、人、ぽつりぽつり外灯にとおく群がる虫。
ああ、暑い暑い、狐面で素顔を覆った影に隠れて、「あーした天気になーあれ!」
今年は花火が上がりますように!
再来!
鍵ならうちがわからあけられるはずの鳥かごを、出られなくて泣いているあの子はたぶん、空の飛び方を知らないんだろう。
「ほら、こっちへおいで。きみはもうどこへでも飛んでいけるんだよ。さあ、鍵を開けて。前へ。」
死んじゃうよ。
そんなことしたら、死んじゃうんだよ、きっと。このかごの外を知らないまんまに育てられた雛鳥もいつかは大きくなった。羽の繕い方も、空への足の出し方も、翼のうごかし方もわからないでいて、ほんとうにどこへでもいけるんですか。
空を飛びながら、雄大な翼をはためかせて、思う。背中に一匹のせるのなら、一生をつかうみたいな気持ちが必要だ。助かってほしいねえ、みんな。
飛び方を教えることは、できない。代わりに飛んであげることも、できない。ひゅるると空を落ちていくあの子が、なにかの間違いで、偶然空の飛び方をみつけることをねがうだけ、くらいしか。