🐈‍⬛°・*:.。.☆真聖ロマ猫帝国🌎

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9/11/2025, 4:42:03 AM

かくれんぼの途中

ふたり、こっそり抜け出して
草むらで分け合う
赤い実

どっちが甘いの、酸っぱいの

赤い方が甘いよ
指先で一粒ずつ摘んで
青空に掲げる

こっちが甘くて、美味しいの
ほら、あげる

そっちはどうなの、酸っぱいの
次、また来ようよ
いっしょに食べよ

吹く風、緑が揺れる
かくれんぼの続きに戻ろうか

#89「Red,Green,Blue」

9/9/2025, 11:59:58 AM

彼女の膜を通過して
私は生まれた
歪な愛に守られて
私は育つ

彼女は異物を排除した
私は彼女の大切な大切な
もう一人の彼女であること
それが最も価値のあることだと
教育されて大人になった

大人になった私は
膜を容易く貫くことを覚えた
嘘の愛で汚したかった

彼女が大切にしてるもの全部
壊して踏みにじりたくなった

いつだって私は
心の中で叫び声をあげていた
でも、彼女にその声は届くことは無いから
男に預けた肉体で喘いだ

私に価値なんて無くても
抱きしめてよ

ねぇ、お母さん

#88「フィルター」

9/8/2025, 8:01:08 PM

ぼくは何も知らなかった。
ぼくのお父さんも、お母さんも。
おじいちゃんもおばあちゃんも、きっと知らなかった。

ぼくたちはただ生まれて、
生きることに精一杯だった。

それが悪いことだなんて。
ぼくたちがただ、ここで暮らしていることが、
「害」になるって、ここの人間が決めたんだ。

いつからそんなことになったのか、
ぼくたちは知らなかった。
ぼくたちが生まれるずっと前、
ぼくたちの祖先をここに連れてきたのは人間なのに。

ぼくたちは、ぼくたちの愛で生まれた。
家族もたくさん増えた。

ぼくたちに似た生き物はいるけれど、
「あいつらとは仲間じゃない」と、ここの人間は言った。

だから、ぼくたちがここに居続けるのは「害」なんだって。

ぼくたちは、どこへ帰ればいいんだろう?
帰る場所なんて、知らないよ。
ぼくは生まれてから、ずっとここにいる。

でも、ぼくたちはいなくなった方が良いって。

ぼくのお父さんも、お母さんも、
おじいちゃんもおばあちゃんも、
みんながいなくなったら、たくさんのここの人間が喜ぶんだ。

ぼくたちの祖先がもともと暮らしていた場所へ
帰りたくても、どこなのか知らない。帰り方もわからない。

ぼくたちみんながいなくなれば、
どれだけの人間が喜んでくれるんだろう?

ぼくたちは悪いことをしたくて、ここにいるんじゃないよ。
でも、ここの人間が決めたんだ。

「お前たちは、たぬきの仲間じゃないから。一匹残らずいなくなれば、ここの人間の暮らしは良くなるんだ」と。

#87「仲間になれなくて」

9/8/2025, 2:51:37 AM

夢の中の君は
窓辺で
雨を眺めている

僕が何を話しかけても
振り向きもしない

だが、会話は続く

「雨、止みそうにないね」
「そうね」
「出かける予定がなくて良かったよ」
「そうね」
「コンビニくらいなら、今行ってこようか?」
「そうね」
「それともピザでも頼んでみる?」
「そうね」

間違いなく
夢の中の君は君だったけど

僕の知ってる君ではなかった

もう別れてから随分経つけど
あの頃の君に雨を降らせていたのは
僕だったんだね

#86「雨と君」

9/7/2025, 5:24:30 AM

黒板に書く
明日の日直担当は、キミの苗字と隣にもう一人
一日違いのすれ違い

神様の意地悪に舌打ちしたって、
しょうがないね

いつか巡り会うボクらの未来に、
キミの下の名前がボクの隣に在れば、それこそが運命さ

キミに話したいことは、たくさんあるよ
たとえば、キミと二人で秋の夜空を見上げることができたなら、
アンドロメダの話を聞いてくれるかい?

帰宅時刻のチャイムが鳴る
今日の日直はボク一人

夕日が差す教室の隅で、日報に書く
「特になし」

#85「誰もいない教室」

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