あなたがすき

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11/8/2024, 11:20:46 AM

知性という名の禁断の果実
ひとたび齧れば頬っぺたが奈落の底に落ちるほど美味
毎夜ごと左耳から囁かれる問い
私という存在の意味
生まれ落ちたのは罪か、生きているのは罰か
吐き出せない林檎のかけらが喉を締め付ける
はじまりから終わりまでの
物語の意味なんてア・プリオリ
悪魔の証明なんてやめて認めて
罪の前には罪があるだけ
意味がないことは無いんだよ
何もなければ何も生まれないはずだったのだから

すべては逆さに捲るページのよう。



形而上学の有名な問いにWhy not nothing?というものがあり、究極の問いとも呼ばれるこの問いは、あらゆる問いの中でもっとも根源的であると言われています。原因の原因についての頭が変になりそうな追求。何も無いなら無いという考えに至らない、つまりは何かがあるからそれについて考えるという無限に続いていくようなこの問いに人生の殆どを使ってしまっています。意味がないということは、意味があることに対して使われるはずなのです。生まれながらの罪人なら、失うものなく生きながらえられるでしょうか。
ちなみに、世界各地で"左"というものは悪のイメージがあるようです。悪魔、不正、間抜け、価値のない、不潔、女性。
ラテン語の左sinisterは悪魔的という意味で、両利きambidextrousは直訳で両方右手。そういえばアダムとイブの絵画は、大抵アダムの左側にイブがいるような気がします。沢山見たわけではないのではっきりとは言えませんが。

意味がないこと

11/7/2024, 10:58:01 AM

私はあなたかもしれない!
もしくはあなたが私のスワンプマン
いつからあなただけのあなたになったか知らないけれど
私はあなたかもしれないんだ
ほんとうだよ
だって眠っている時にいつの間にか溶けていて、
あなたとわたしに分裂していたかもしれないじゃない
ほら目も鼻も内臓だっておんなじ数だ
やっぱりおんなじ生き物に違いないから
あなたが私なのかもしれないよ
私の夢を見ていたあなたの夢を見ていた夢
ここが本当に夢じゃなくて
あなたが本当にあなただという証明はできないでしょう
毎日寝て起きて、覚めているという夢を見ているんだよ
きっとそうに違いないよ
眠らなければ存在しようがないなら一体誰になる
形而の上か下か存在を確かめてもそれ自体がどこにあるのか
どこに行けばいいのか教えてよ
早く起きて、私の夢を見ないで。

まるでドミノ倒しのシュレーディンガーじゃないか


スワンプマンとは、個人のアイデンティティの正体についての思考実験です。おもしろいです。
頭がおかしいと言われることもありますが、誰もが正常な頭を持っていないでしょう。全く同じなら皆頭が可笑しいですし、違うなら誰が正常かなんてわからないのですから。思想や人格が重なって一体どこが現実かわからなくなってきたところです。勝手に区分して決めつけらて無くなってしまいそうなので、一つ一つ区切っていけば、いつか私だけの私が残るでしょうか。

あなたとわたし

11/6/2024, 11:14:43 AM

自分では潤せない地面の渇きを
誰かの雨だけが優しく打つ
降られれば二度と戻れない
傘を差すまでもなく柔らかい雨

数え切れないそれら全てが心のかけら


ポカホンタスというディズニー作品がいちばん好きです。
雨の一粒一粒だって心も名前も魂もあって、みんな友達で、死んで誰かの糧になりまた巡る。ライオンキングのサークルオブライフでもありますが、命は丸いというフレーズが私を形作る芯になってくれてます。1人じゃないと思えるからとても素敵。みなさんの心の支えになったものは何でしょう?映画?ぬいぐるみ?だれか他の人?集めたら雨よりたくさんあると思うとワクワクしますね

柔らかい雨

11/5/2024, 11:37:14 AM

初めから光などなければ辛くもなかったのに。
一筋の光が降りていた。
誰かが覗いているらしい。
幸福の中で見下ろす地獄はどんなに愉快か。
極楽はどうやら地獄の上に成り立っていて、覗き込めば苦しむ大勢が見えるようだ。救われたい。どうにか。
たった一度の希望を誰が他人に譲れるだろう。
ほんとうはあなたに救われてほしいのだろうか。
欲を剥ぎ取れば光より軽くなれるだろうか。
しかし一人では生きていけないのだ。
幸福も不幸も。
暗闇の中からでは、逆光で何もかも見えないのだから。

気まぐれでは救われてくれない地獄に落つ。


きれいごとでは生きていけないのです。たった一度のチャンスを掴みたがらない人間はいないでしょう。生まれ落ちたここが地獄なら、誰もがより良く生きていたいでしょう。死んだように生きる毎日に何の意味があるのか。誰かに譲るくらいなら生きていないし死んでいない。私たちは生まれた時からずっと一筋の光を掴んで生きているんです。神なんていないし、より良く死ぬために生きている。そういうふうに考えています。
死にたくないという想いこそ私の一筋の光。綺麗事では生きていけない世界を生きることは大変だと理解し合えるからこそ、誰かと同じ光を見続けたいと思えるのです。あなたのこれからの道もどうか、見失う事のないくらい光で満ち溢れますように。

一筋の光

11/4/2024, 10:53:41 AM

秋や冬よりも、春がいちばんもの悲しい。
目に見えている終わりよりも遠く、
まるで永遠のような顔をしたものが次々死んでいく。
失っていくばかりを過ごすのはとても切ない。
夕暮れ時、枯葉の散る季節よりもなぜだか
咲き始めた花に舞う蝶たちがたまらなく哀愁を誘うのだ。

突然足元に穴が空いたような空虚感こそ哀愁。


春がいっとう好きです。待ち遠しいです。でも始まった途端終わってしまうことを認識してしまって辛いです。好きなシリーズの最終章、イベントや祝日の朝。哀愁を誘います。

哀愁を誘う

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