あなたがすき

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初めから光などなければ辛くもなかったのに。
一筋の光が降りていた。
誰かが覗いているらしい。
幸福の中で見下ろす地獄はどんなに愉快か。
極楽はどうやら地獄の上に成り立っていて、覗き込めば苦しむ大勢が見えるようだ。救われたい。どうにか。
たった一度の希望を誰が他人に譲れるだろう。
ほんとうはあなたに救われてほしいのだろうか。
欲を剥ぎ取れば光より軽くなれるだろうか。
しかし一人では生きていけないのだ。
幸福も不幸も。
暗闇の中からでは、逆光で何もかも見えないのだから。

気まぐれでは救われてくれない地獄に落つ。


きれいごとでは生きていけないのです。たった一度のチャンスを掴みたがらない人間はいないでしょう。生まれ落ちたここが地獄なら、誰もがより良く生きていたいでしょう。死んだように生きる毎日に何の意味があるのか。誰かに譲るくらいなら生きていないし死んでいない。私たちは生まれた時からずっと一筋の光を掴んで生きているんです。神なんていないし、より良く死ぬために生きている。そういうふうに考えています。
死にたくないという想いこそ私の一筋の光。綺麗事では生きていけない世界を生きることは大変だと理解し合えるからこそ、誰かと同じ光を見続けたいと思えるのです。あなたのこれからの道もどうか、見失う事のないくらい光で満ち溢れますように。

一筋の光

11/5/2024, 11:37:14 AM