お茶の時間

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12/15/2023, 2:39:51 AM

青白い光に包まれながら、歩いてみる。
寒色しかないとは寂しい印象でしかなかったけれど、
人も賑わっている中では不思議と寒くはない。
一体どれほどのあかりが灯っているのだろうか。
歩みを進めていくうちに、そんなことを考えても仕方がないと、ただただ見上げていた。
少しずつ夜の冷気が、肌にじんわりと染み込んでくる。
大勢の人とすれ違うのに、知り合いがいないだけでこんなにも違うものなのだろうか。

たった一人で眺めているだけでは、ダメなのだろうか。

するとコートの袖が後ろに引っ張られる。
俯いているから顔は分からないけれど、走ってきたのか、肩が大きく上下に動く度に息遣いが聞こえてくる。

「よかったら、これ」

少しよれた紙の手提げには、カップが二つ。
奇跡的に中身は溢れていないらしい。

ひとつ取り出すと、震える手でゆっくりと飲み込んだ。

「……ぬるい」

その一言で、今にも泣きそうな顔で見上げて来たので、思わず笑いが込み上げた。

「冗談だって、あったかいよ。ありがとう」

誰かがいるだけで、こんなにも違うなんて。
見上げると、イルミネーションの光が
さっきとは違って、暖かく感じた。



12/4/2023, 1:40:19 PM

大きく口を開ける。

瑞々しい苺が乗った、
大きな一口サイズのショートケーキが
フォークに乗せられて、
今か今かと待ち構えてる。
これこそ幸せのひと時。

さぁ、私の口にダイブしなさいと
今にも放り込む寸前で、

けたたましい目覚ましに
目が覚める。

あれ、ケーキは??


夢と現実

12/2/2023, 12:05:22 PM

かつて私はこの手を取った。

そうして、全てを失った。
それでも、私は幸せだった。
何も知らない私は、無知な私は、
何処までも愚かで、
清々しいほどに真っ直ぐだった。
最期まで、この手を信じていた。

けれども私は知ってしまったのだ。
この手を取ることは、即ち
闇へ堕ちていく、ということを。

何故だろう、あれ程までに美しいと感じていた
微笑みが、酷く歪んで見えるのは。
私のことを見下して、
利用しようという顔に見えてしまうなんて。

何処か心の奥でストンと納得して。

私はこの手を取るのをやめる。
貴方には興味なんてありませんよと
猫のように顔を背けて傍を通り過ぎた。

そう、私はようやく光を見つけたから。
光と闇の狭間で、私は光に手を伸ばす。

今度こそは、この世界で生き延びてみせる、と。

11/29/2023, 9:49:04 AM

一瞬であり、
まるで永遠かのよう。
伸ばした手は何も掴めない。
あの人の瞳に私は映らないのだと、
そう理解してしまったから。
けれど去り行くその背中に訴えかけるのだ。
これは夢なのだ。
だから、
振り向いてくれるのだと。
物語が、まだ続くはずなのだと。

終わらせないで

11/23/2023, 5:13:41 AM

永遠なんてものは、
きっとどこにもなくて。

それを信じられるかどうか。

そう思いたいだけ。

いつまでも幸せに暮らしました、
なんて言葉は
所詮おとぎ話の中にしかなくて。

幸せになるために
結婚するんじゃないの?

たぶん正解なんてないから、
誰にも聞けずに心の奥底で漂っている。
しあわせのかたちは、
みんな違っているだろうから。

他人と他人が一緒になるのは
幸せが倍増して、
辛いことも掛け合わさるのだろう。

それができない私は
他人を信じられないまま、
今日も一人で微笑んでいる。

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