「不完全な僕」
料理がずっと苦手だった
結婚してから料理上手な夫に鍛えられ、数年をかけて徐々に上達し、ポテンシャルは元々あったのかそれなりに美味しいものが作れるようになった
長年の料理下手も、今思えば母が料理を教えるのが下手で、お手伝いは邪魔なので基本させてもらえず、そのまま年をとり手伝いに興味がなくなってヤバいと思ったのか配膳を手伝わせてみたり。いざ私が学校の課題で作るとなればこちらに丸投げで自分は自室で仕事。普段料理をしないので要領は悪いし何かしら失敗するため、母がそれを見て「料理もできないの」と笑う
私は「教えてもらってもないのに出来るか」とキレる
そんな悪循環だったように思う
今私は昔憧れた料理上手になった。夫からも太鼓判を押してもらった
そんな私は今、惣菜の揚げ物が買えない。絶対私が作った方が美味しいし安く沢山作れる
もう、じゃがいもペーストのぺちゃんこコロッケしか買えない。あれは作れないし沢山はいらないけどたまに食べたくなる
「香水」
「そろそろ君も30になるんだし、いい物も少しずつ持っときなさい」と、夫から誕生日にプレゼントされたのはCHANELの5番
香水など今まで買った事も贈られた事もなく、そもそも誕生日プレゼントはスニーカーにするって言ってなかっただろうか。「あのおじさんの顔描いてある靴辞めたの?」「スタンスミスはいつでも買えるから」
色々と理解が追いつかない
なんでも早朝に唐突に思いついたそうで、めちゃくちゃネットの口コミだけで一番良さそうな香りを1時間程かけて選んだらしい。どうしよう、ツッコミが追いつかない
届いた香水をひと振りすると、大人の女性な香りがした。私もこの香水の香りが似合う年頃になったのね
少し背伸びをする時に良いかもしれない。それからその香水は宝物になった
「言葉はいらない、ただ…」
優先道路を走っていて横から出てきた車にぶつけられて車が横転した事故の翌日
運転手のおばあさんが謝罪にきた
事故当日も横転した車から全員救出された後に現れ、何故か救助を手伝ってくれたおじいさんに謝罪していた
警察、救急に電話をしていた素振りもなかった
翌日、水色の洋服を着て謝罪に来たおばあさんは、フルーツと賞味期限本日のケーキを10個、お詫びとして渡してくださった。流石に頂けませんと言えば、「貰って頂かないと困ります」と仰った。それはそうよね、と思い渋々受け取った
聞けば足もお悪く、お年も70を超えていらっしゃるようだ。そういえば昨日助けて頂いたおじいさんも杖を突かれていたからきっと貴女と同じように足がお悪かったのよね。おじいさんは杖を放り出して子どもを受け取ってくれました。感謝してもしきれません
その後、ケーキを10個頂いた我が家は貴女の予想通り大変困りましたが、友人にも急遽お手伝い頂きなんとか捨てずに済みました。良い友人を持てて私は幸せ者ですね
その後おばあさんがどうされてるのかは知りませんが、もうお会いする事はないでしょう
それでは最後に独り言、
絶対悪いの足だけじゃない
黙って免許返納しろ
「突然の君の訪問。」
時間指定の10分前に「少し早いですが」と一言添えて来る事があったのがヤマト
夜に時間指定をしても朝一番に何食わぬ顔で来る事があったのが佐川
追記:いつもお仕事お疲れ様です
「雨に佇む」
元々傘をさすのが面倒なタイプで
多少濡れても平気なタイプで
送り迎えの少しの時間だけだし、ちょっとくらい濡れたって平気よと雨の中幼稚園バスに手を振っていたら
同じバス停で一緒になるお母さんに無言でそっと傘を半分譲られてしまい
あ、気を遣われている…
すみません、ガサツなだけなんです
次からは傘を持っていくようにした