どういった話の流れだったのか、
「星はね、夜だけあるんじゃないんだよ。昼間だって」と彼が空を見上げたので、つられて僕も見上げてしまった。
「明るすぎて見えないけどね。」といたずらっぽい笑顔でこちらを向くから、僕は自分のマヌケさを、また彼に晒してしまったことに気付いて、耳が赤くなった。
「そういう素直なとこ、好きだよ」
彼の言葉に、僕は笑いでごまかしながら自分の動揺を必死で抑えた。
(僕のバカ!好きってそういう意味じゃないだろ?何期待してんだ。今のこの関係を壊したくないだろ?)
「ついでに言うと、昼間流星群っていうのもあって、おうし座ベータ流星群ていうのが、ちょうど今頃ピークをむかえるんだって。そういうのはレーダーで観測するんだってさ」
「ちゅうかん?ベータ?」僕は動揺と疑問でいっぱいになりながらきいた。
「そう、昼間の流星群。見えないけど、今、空のどこかに流れ星が流れてるかもね。願い事でもしてみる?」と彼が再び空を見上げた。
見えない流れ星に願い事?
もし叶うなら
僕の言えない言葉をそっと彼に伝えてくれないか。
君の横顔を見つめながら、僕は心の中で願っていた。
お題「流れ星に願いを」
マイルール
書けない、どうにも書けない
いいネタが思いつかないとか、違う表現の仕方が見つからないとか、完成しないとか
書きたくない、残業して疲れたからムリなんてのも
ま、そんな日は
読むだけの人になってもよしとします
お題「ルール」
「ただいま」
誰もいないけど言う。
あぁ疲れた。
入社6年目、春に異動になった。
仕事内容がまったく違う。
上司が怖い(主に口調が)。
前の部署には新人が配属されたらしい。でも2日来ただけで辞めたと聞いた。
異動の内示を聞いた時、会社は僕が自分から「辞める」って言わせたいのかと、真剣に悩んだ。いろいろ考えるとグルグル回って辞める勇気も無い。
井上陽水は「私の心は夏模様」って歌ってた。
僕なら何だろう。
そうだな…
「私の心は霧模様」
こんな言葉はおかしいかな?
でも今は五里霧中だ。
進んでるのかもわからない。
さて、飯食って風呂入ってもう寝ることにしよう。
明日は霧がだんだん薄くなっていくことを願って。
お題「今日の心模様」
以前、TVドラマをみながら「俺はあぁなったら延命治療はしてほしくねえなぁ」と父が言っていたのを、仕事のメールを確認していた私は何となく聞いていた。
そうだ、確かに言っていた。
けれど今、突然、病院の集中治療室のベッドの上にいる父を目の前にして、私はひどく混乱と動揺に陥っていた。
散歩中の父をはねたのは、信号無視の車だったらしい。
父に生きていてほしい。
たとえこの決断が父にとっては間違いだとしても、私は父の言葉に従うことができなかった。
「何か、他にもっとできることがあるだろう!!」
医師の説明を遮って、私はその医師の胸ぐらをつかみかかりながら怒鳴った。
医師は看護師を制し、優しく私の手を握り、私の手に涙を落とした。
医師は本当に全力を尽くしてくれたのだろう。
私の嗚咽だけが病室に響いていた。
お題「たとえ間違いだったとしても」
雫に限らず峠・凪のような国字と呼ばれる日本独特の文字がある
山の上り下りの境目が峠
風がやんで波穏やかな様子が凪
無駄のない、だれもが想像しやすいありのままのような文字
雫も同様だ
雨だれが下に落ちていくさま
けれど滴もしずくと読む
漢字があるのに国字の「雫」を作った理由は何だったのか?滴と使い分けなければならなかったとして何が雫で何が滴だったのか?誰が作らせたのか?作ったのは誰か?
あれこれ想像してみる
いつの時代だろう?滴は当時しずくと読まなかったとか?滴が入ってくる前に雫を作ったのか?
勝手に想像して勝手に謎を深めるというのも、たまにはおもしろいものだ
正解にたどり着く必要などないのだから
お題「雫」