どういった話の流れだったのか、
「星はね、夜だけあるんじゃないんだよ。昼間だって」と彼が空を見上げたので、つられて僕も見上げてしまった。
「明るすぎて見えないけどね。」といたずらっぽい笑顔でこちらを向くから、僕は自分のマヌケさを、また彼に晒してしまったことに気付いて、耳が赤くなった。
「そういう素直なとこ、好きだよ」
彼の言葉に、僕は笑いでごまかしながら自分の動揺を必死で抑えた。
(僕のバカ!好きってそういう意味じゃないだろ?何期待してんだ。今のこの関係を壊したくないだろ?)
「ついでに言うと、昼間流星群っていうのもあって、おうし座ベータ流星群ていうのが、ちょうど今頃ピークをむかえるんだって。そういうのはレーダーで観測するんだってさ」
「ちゅうかん?ベータ?」僕は動揺と疑問でいっぱいになりながらきいた。
「そう、昼間の流星群。見えないけど、今、空のどこかに流れ星が流れてるかもね。願い事でもしてみる?」と彼が再び空を見上げた。
見えない流れ星に願い事?
もし叶うなら
僕の言えない言葉をそっと彼に伝えてくれないか。
君の横顔を見つめながら、僕は心の中で願っていた。
お題「流れ星に願いを」
4/26/2024, 5:02:50 AM