「花束」
足元に、沢山の小さな花が咲き始めていた。
それは、どこか懐かしく感じる。
今年もまた、一年に一度だけやってきてくれる。
お墓の前にそっと、花を添えてくれる人がいる。
その人は来てくれる度に、段々と歳をとっている。
私はただ呆然と、足元に残った花束だけを、見つめる事しか出来なかった。
「時計の針」
静まり返った部屋に、秒針の音が響き渡る。
『今、何時だろ?』
気づいた頃には、もうこんな時間だ。
過ぎるのはあっという間。
そろそろ、暖かい飲み物でも、
飲んで休憩しよう。
あなたも一緒に、一息つきませんか?
「ブランコ」
懐かしい思い出がよみがえる。
小さい頃、よく乗っていた気がする。
まだ足も短くて、座るのに苦労した思い出がある。
やっと座る事ができたけど、ブランコが高く、ふらふらと浮いた足の行き場がなかった。
地面を蹴って勢いをつけることも出来なかったから、よく背中を押してもらっていたな。
あれから歳の数が増えて、今。
あんなに遠かった地面が、
今じゃすっかり届くほど成長したなと感じる。
もう、誰かに押して貰わなくても、自分の力で、できるようになったんだなって
小さいことだけど、成長したなと感じた。
「タイムマシーン」
「眠い。でも、まだ明日提出の課題が…」
どうしようか。
眠気はある。でもまだゲームをしていたい!
時刻は深夜の1時過ぎだ。
明日提出の課題も終わらせなければならない。
半分欲に負けている頭で考えた末
「まぁ、時間はまだ余裕あるし、後でにしよう。」
結果、後回しにする事にした。
そして
時計を見てみれば、時刻は朝4時を指していた。
「やばい。さすがに眠い。」
頭が
眠気で頭が回らなくなり、
今は一旦睡眠を取ることにした。
課題に関しては、気合いで起きてからやろうと
思っていたが、、
「あぁ…」
目を開く。すると、眩しい光が視界いっぱいに
入り込んできた。
まるでタイムマシーンのように、気がつけば
朝になっていた。
もう、未来に来てしまったのか…課題を提出しなければならない未来に…
夢であってくれと、
こう心の中で叫んだ。
「過去に、戻らせてくれ!!!」
~完~
「海の底」
海は、とても広い。
視界いっぱいに広がる青色に、波の音が押し寄せてくる。
砂浜には、キラキラと光る小さな貝殻が、地面に散らばっていた。
一度貝殻に目をやれば、ついつい拾いはじめてしまう。
そう過ごしていると、
やがて時間は進み、夕日も沈んでいく頃には、
海の色は、空の色と同じように変わっていた。
真っ暗な海に、光を照らし、覗き込んでみても
底は見えないくらい、深い色で続いていた。
「今日は何が釣れるかな。」
と、期待を寄せながら、釣竿を投げ、待ってみる。
「あっ、フグ…」
目の前に来たフグが、餌に食いついた。
毒があり食べられないので、すぐ逃がす事にした。
その後、何度も魚はかかったが…
「結局、フグしか釣れなかったな…」
釣れたフグ達を海に返すと、あっという間に、霧のように海の底へ見えなくなっていった。
今日は引き上げ、早めに帰る事にした。