うぐいす。

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5/21/2024, 10:49:42 AM

 ふ、ふふふ。
 やったぞ! ついに手に入れた!
 透明人間になる薬を!!
 これを飲めばやりたい放題だ!
 ゴクゴクゴクゴク。
 ・・・これ、ちゃんと消えてるのか? うーん。自分じゃ確認のしようがないな。
 よし。
 おい、姉ちゃん。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・こりゃ成功してるってことでいいのか?
 おーい、バーカ。バーカ。
 ・・・姉ちゃんのプリン食べたの、父ちゃんの仕業って言ったけど、本当は俺だぜ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・マジか。
 よっしゃー!! これで・・・ぐふふ。
 これで―――、

 

 ―――母ちゃんの敵がとれる。
 さあ、やろうぜ。復讐。

5/20/2024, 10:21:26 AM

 きみはぼくのおにんぎょう。
 かわいくきかざって、かわいいかわいいね。
 ? おかしいな。おにんぎょうなのにしゃべってる。
 おかしい。おかしいな。
 これじゃあぼくのおにんぎょうじゃない。
 ぼくのりそうのきみじゃない。
 しかたがないから、おくちはぬってしまおう。

 あれ、そのて、どうしたの? ぼろぼろでいたそう。
 しかたないから、ぼくがぬってあげる。
 これできみは、またかわいいおにんぎょうさん。

 あれ、うごかなくなっちゃった。ざんねん。

5/20/2024, 4:42:22 AM

 今日は我が国のお姫様の戴冠式だった。
 オーケストラが場を賑やかせ、国民や付き人たちもワイワイと騒ぐ。
 そんな平和なある日の一ページ―――だったのだ。
 ちゃんと。
 そう。その時までは。

 突如として空が暗くなり、王国に影が差した。
 異空から這い出てきた、亀の甲羅のようなものを背負う化け物は、お姫様の身体を掴むと、「姫を攫って行く」と、堂々たる姿勢で言い、また異空間へと消え去ってしまった。
 突然のことだった。
 唐突過ぎて、なにも反応出来なかった。
 暫くみんなで呆けていて、数分経った頃にやっと事態の深刻さを認識出来たのか、国民も付き人も、ワーワー騒ぎ出した。
 先刻までの、平和で穏やかな騒ぎとは真逆だった。

 ―――ああ、こんなにも。
 と、男は膝を折る。
 こんなにも呆気ない別れだなんて。
 ワーキャーワーキャーと叫び怯え戸惑い右往左往する国民たちの声が、何処か遠くに聞こえた。
 


 ―――これは、赤い帽子がトレードマークの男が、綺麗な桃色のドレスを着たお姫様を助け出す為の、きっかけのお話。

5/18/2024, 1:48:37 PM

 僕にとって『恋』とは、所詮は上辺だけのもので、自分の欲を満たすための体の良い文句だった。
 幼少期、散々言われてきた「貴方のため」という言葉。
 学生時代、貴方のことが好きだから、と身勝手に感情を押し付けてくるクラスメイト。
 それが愛情か恋情か、はたまた別のなにかなんて僕にはどうだっていいが、とにかく鬱陶しくて仕方なかった。
 だから、恋なんて―――ひいては、それを飾り付けて彩る『恋物語』なんて胡散臭いものが、僕は嫌いで嫌いで、目にも入れたくないものだった。

 ―――そんな僕が、恋をした。
 行きつけの喫茶店の、新人の店員の女の子だった。
 仲良くなりたくて、意味もなく彼女のオススメを聞いたり、もしよれば、なんて言う勇気もなくて、だけど彼女のことがもっと知りたくて、彼女の後をつけたりした。
 ある日、いつも通り、帰宅途中の彼女をつけていると、そんな僕に気付いた彼女から「もうこんなことは止めて下さい」と非難の声を浴びた。
 ―――なんで。なんで、なんで。
 なんで。
 こんなにも―――ただ、君が好きなだけなのに。

5/16/2024, 10:05:22 AM

無理ですね

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