そっと
「あなたに私の気持ちなんてわからない」
とか言われると黙れって言いたくなるけど、多分本心は
「私の感情を探らないでほしい。」
だと思う。
自分もよく、悲しみに浸って面倒くさい性格のときにこの思考に陥る。
多分はたから見たらバカで、あとの自分から見てもバカだから本当にただのバカなだけなんだけど、
少しバカなことを言いたい。
お前ら正しいこと言い過ぎなんだよ。わかってるよ。私が間違えててお前らの言う通りにできればきっとうまくやれることくらいわかるよ。でもね、私はそんなにうまくはできないよ。泣いたり、落ち込んだりする時間が無駄だとかもとっくに知ってるよ。でも私には必要なんだ。この無駄が。いつも効率がいいほうを選びたいわけじゃない。
私の気持ちなんて理解しなくていい。というか理解するな。触るな。
泣かないでって言ってくる割には人が泣いてるところは面白そうに見てきやがって。あげく救世主だの教師だの、そんな面構えで来られてもうざいだけだ。お前らのそんなところが嫌い。
(…面倒くさいやつ)
あの夢の続きを(小話)
青年
「先生、もう生きるのが辛いんです。最初はすべてが上手くいっていたんです。でも途中から、それだけじゃ満足出来なくなって、全部欲しくなって、そうしたら何もうまくいかなくなって、先が怖くなって絶望してます。いっそすべてが思い通りになればいいのに。」
医師「それなら、いいものがありますよ。」
…
青年 「これが好きな夢が見れる麻酔ですか?」
医師「そうです。今あなたが望んでいることを夢の中で叶えることができます。」
青年 「 目覚めるのはいつになりますか。」
医師「あなたがそれを夢だと気がついた時に目が覚めます。」
青年 「 それでは、気が付かなかったら永遠に目覚めないということでしょうか。」
医師「はい。ですが、あなたはこんな現実に嫌気が差したからここに来たわけですよね。夢の中では、今のあなたがしたいことが何でも叶います。ならいっそ、永遠に目覚めないほうが幸せなのではないでしょうか。」
青年「確かにその通りかもしれません。もうこんな世界は嫌なんだ。いっそ永遠に夢の中で幸せに暮らしたいです。その麻酔使わせてください。」
医師「よろしい。それでは…おやすみなさい。」
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
青年「先生、もう生きるのが辛いんです。」
砕けた思い出の欠片をたどった。
一緒に二人で行った場所、時間、記憶。
夕方に二人で一緒に歩いたり、遊んだり、ご飯を食べたりした、そんな日常。
…
壊れた欠片をいくら拾い集めても、もう二度と、もとには戻らない。
あの頃みたいにキラキラと夢中な輝きを放ってはくれない。
そんなことは分かってる。
つなぎ目を合わせたって、このヒビは治らないままなんだって。
それでも、私は辿ることをやめられない。
欠片でも、動かない がらくたでも、いつまでも私の中に残ってほしい。それに浸らせてほしい。
草を踏みしめて、空を見上げた。
あの頃、嘘みたいに澄んでいたあの星空が、今日は遠くで滲んで見えた。
こんなに綺麗な静寂に気づかせないでよ
登りすぎないように、沈みすぎないように、風は吹く。僕を地上から遠ざけないように。
底がみえそうな時に吹く追い風は嫌いだ。生きることを強制されているようで。
そのくせ、登り続けて頂上が見えそうになったら今度は落としてくるんだろ。
僕の運命は風まかせだ。だから今日も生かされいる。
日の出
夜と朝の境目に
空の上を転がって
星々を消し去る悠久の光