3/31/2026, 7:47:43 PM
幸せに
死神は必死に走っていた。途中で転びそうになっても、たとえ間に合わないとしても、それで姫君の命が助かるならばと。ぜぇぜぇ息が上がる。
姫君の棲家の塔に着いた。
これであの子を救える、幸せにできる。そう思いながら扉を開けてこう呟く。
「貴方さまどうか幸せに。」
3/30/2026, 5:35:00 PM
何気ないふり
彼女に、死神に花束を渡したいと思い悩みながら数日がたった。もう死ぬまであまり時間がないからそんな余裕もないのだが。それでも死神のすました顔を崩してみたい、そう思いながら何気ないふりで訪れた彼女にこう聞いた。
「ジャック、あなた好きな花はあるかしら?」
死神は一瞬かたまり、こう答えた。
「ジャックは花を見たことがないので、好きも嫌いもありません。人や動物ならまだしも植物は枯らしてしまうので.....。」
表情は相変わらず無表情だったが、どこか悲しげな雰囲気でそう答える。
「そう....。」
そう答えるながら、どうしたものかと心の中で頭を抱えていた。
3/29/2026, 4:34:20 PM
ハッピーエンド
結論から言うと僕たちは悪魔の討伐に成功した。
そりゃあ、まあ完全に誰も傷なく終えられたわけではなかったけれども。
勇者である僕や魔法使い、戦士、それに大事な人である聖女も皆生きていた。
それだけで十分だ。命あってこそのものだ。
それから僕らは王都へ帰り、帰還のお祝いもして、
王様から一生暮らせるだけのお金や土地もいただいた。
そうして人があまりいない田舎で聖女と結婚をして子供もいる。
時折喧嘩することもあるけれども、それでも。
幸せにしたい、守りたい人たちがいる。それだけでなんてハッピーエンドだろう。