優越感、劣等感ね。
いつもそれが付きまとう。
嫌気が刺す程に、あの子は頭が良くて
私とは違う。友達なのに。
何でだろう。
あの子の隣に居て笑った姿が見たい。
そう願ってしまうが
それが夢のまた夢になってしまった、
高校受験。
あの子は頭の良い私立高校へ、
私は普通の高校へ、別れて行く。
"もう少しだけでも一緒に居たかったよ。"
なんて言えたらな。
春風は私の心を拐っていった。
"私も貴女と居たかったよ、
迎えに行くから待っててね。"
貴女にこの思いが届いていますように、
この春の季節に願う。
"約束だよ!"
ありがとう。聞こえたよ。
大人になったらまた、笑い合おうね。
それまでどうが無事で居てね。
これまでずっと嘘をついてきた。
やりたくなくても"いいよ"なんて言ったが
流石に疲れてきた。
俺は俺自身の仮面を被って偽りを演じている
ようにしか感じなくなってしまったからだ。
会社でも友達でも家族でもだ。
本当の自分を見てくれる人なんて居ないのに。
知ってたからこそ諦めたんじゃないか?
そんなことは知ってるからこそ苦しいんだ。
"お前こそ、そんなんだろ?
画面の向こうで読んでいる君にも当てはまるかも"
知らなくて良いなら、最初から聞くなよ。
はぁ、全く残念だ。
君とは仲良くなれると思ってたのに。
最初からなかったことにするから消えてね。
バイバイ。
一件のLINEがやってきた。
名前も知らぬ人から
"私は貴女のことが好きすぎて
毎日のように考えています"
と来たのだ。
誰だろうと思いつつ過去を振り返ってみると
昔、私に告白してきた女子の名前であった。
その子はいい子だがどこか行動がおかしい、
なんというかストーカー気質なのだ。
返信する気も起きずブロックをしたら
何だか嫌な予感がした。
帰り道には気を付けなくちゃ。
特に街灯の下には。
あ。
帰り道に見たのは、
その子が返り血で汚れた姿だった。
"見ちゃったね♡これからはいつも一緒だよ♪︎"
そこで察した。
私はこんな嫌な運命かよ。
長生きしたかったな。
目が覚めるとそこは夢にまで見た世界だった。
妄想だけで済ませていたのが叶ったのだ。
あぁ、愛おしいほどに待っていたよ。
みーちゃん。
君とお話がしたくてしてしょうがなかった。
"やっと話せるね。"
と言ったが、
彼女は………
"早く夢から覚めて皆が悲しむよ"
そう言われてはっとなって体を見た。
俺の体は透けていたのだ。
あれ?なんで俺が見えるんだ?
そっか、横断歩道で轢かれたんだ。
じゃあ、これは夢か。
な~んだ。残念。
私の当たり前、いつも勉強の総合成績で
赤点を取らないことだ。
しかもノー勉に近い状態でだ。
偉いでしょ?
もっと誉めて。
愛して。
そして、また頭を撫でて
"いい子だね"
って言ってよ。
お母さん。
寂しいよ…。