【入道雲】
実は今日、誕生日なんですよ、私。
おまけにね、バースデー休暇なんです♪
というわけで、今は部屋にこもって
推しの名曲の数々を聴きながら
SNSに投稿するイラストを描いてました。
カラフルなクラッカーが両サイドで弾け、
真ん中には大きな大きなバースデーケーキ。
まるで、入道雲がそのまま乗っかったような
たっぷりのクリームとフレッシュなイチゴ。
とっても美味しそうなケーキなんだけど、
私にはどうしても気になることが…
この「入道雲」のカロリーってどれくらい?
いや、独り占めするわけじゃないんだし、
そもそも【絵に描いたような餅】ならぬ
【絵に描いたバースデーケーキ】ですから、
それでも気になる(自称)乙女の私は、
今年いよいよ新たな年代に突入します。
これだけ年を重ねても、落ち着くどころか
また新たなチャレンジをさせてもらって、
ハラハラドキドキワクワクの毎日です。
そんなわけで、今日からまた
私の新たな1年が幕を開けます。
同じく本日お誕生日を迎えた皆様方、
おめでとうございます‼︎
どうぞ、素敵な1年を過ごせますように…
で、あの入道雲のカロリーは?(しつこい)
【相合傘】
「何でそんなもの持ってるのっ‼︎」
高校生のころ、家に帰ると妹の美月が母に怒られていた。母が感情をむき出しにするのを見たのは、そのときが最初で最後かもしれない。美月は、下を向いてひたすら母の怒りが鎮まるのを待っているようだった。
「今すぐ捨ててしまいなさい!」
母はそう言って、その場を去った。美月は、母が目の前からいなくなると大きく伸びをした。
「あ〜あ、見つかっちゃったぁ。失敗失敗」
「見つかったって何がだよ、美月?」
「これよこれ。見つかっちゃったから、もう効力ないんだけど」
そう言って、美月は小さく折り畳んだ紙を俺に見せた。そこには、一筆書きで書かれた相合傘と「カケル」「ミヅキ」という名前があった。
「は? お前なんで俺らの名前書いたの?」
「違うって‼︎ これは2コ上の先輩のこと!お母さんもそれを誤解したんだと思うけど、聞く耳もってくれなくて…」
美月は、憧れの先輩への片想いを成就させるべく、「自分で書いた相合傘の紙を小さく折り畳み、肌身離さず持ち歩く」というおまじないの最中だった。財布に入れていたその紙をうっかり落としたところに母が来て、その中を見てしまったらしい。先輩の名前が偶然にも俺と同じだったことで、話がややこしくなってしまった。
「なるほど、そういうことか。まぁ、母さんも落ち着けば忘れてると思うけど。ただ、またこんなことがあると面倒だから、別の方法を考えた方がいいぞ」
「うん…そうだね、わかった」
美月は少ししょげていたが、折り畳んでいた紙を破ってゴミ箱に捨てた。そして「さ〜て、次どうしようかなぁ」と言いながら自分の部屋へ入っていった。
「…なぁんだ、先輩かよ」
俺は、ちょっと複雑だった。ホッとしたような寂しいような…美月が「実の妹」ならそんな感情にはならないだろう。あいつはまだ、この真実を知らない。
【未来】
「私、自分の未来を知りたいんです‼︎」
占い師という立場上、仕方がないとはわかっているが、ただ漠然と「未来を知りた」くて会いに来る人間がやたらと多すぎる。
特に最近、ある著名人からの依頼を受けたところ、「この人の占い、めちゃくちゃ当たる!」と依頼者自身がSNSに投稿したことでこのテの依頼が殺到してしまっているのだ。
「未来、といってもいろいろありますよね。仕事に関することや恋愛に関すること、あとご家庭に関することっていうのも。具体的には、どのようなことをご希望ですか?」
と、できるだけ占う範囲を絞ろうとしても
「とにかく自分がこれからどうなるか知りたいんです。人生、うまくいくのかダメになるのか、今のうちに知っておきたいんです」
という答えが返ってくる。要するに、自らの人生の行方をさっき会ったばかりの占い師に丸投げしようとしているにすぎないのだ。
「未来を知りたい、ですか。私の占いでは、残念ながらそれはできないですね」
「えっ⁈ どういうことですか」
「未来って、今の時点で決まってるもんじゃないんですよ。自分次第でいくらでも変えることができる。私の占いでできるのは、あなたが自分の未来をつくるお手伝いなんです」
「未来を…つくる?」
「はい。あなたが自分の運命のハンドルを握ることができれば、未来をつくることは可能です。私はその手助けとして占っているだけです」
「…私にも、運命のハンドルは握れるんですょうか」
どうやら、彼女は自分の人生を丸投げすることからは抜け出せそうだ。
「さぁ、一緒に未来をつくりましょうか」
ここから、私の本来の仕事が始まるのだ。
【1年前】
去年の今ごろは、まだこのアプリの存在を知らなかった。仕事も忙しく、ブログの更新も滞りがち「文章」を書く習慣はまだなかったが、代わりに「文字」を書く習慣はあった。
文学作品の一説を書き写しては、その写真に一言二言添えてTwitterで公開した。それは、今思うと「本当は自分の文章を書きたいけれど、それが思うようにできないので」せめてもの罪滅ぼしにと続けていたのかもしれない。
このアプリと出会い、できるだけ毎日綴ろうと努めるようになって2ヶ月が経つ。何度か休んだけれど、今も続けられている。1年前には考えもつかなかったストーリーや登場人物に溢れていて、自分でも驚いている。
1年後、できればここでまだ書き続けている自分でありたい。ひそかに夢見ている自作の本が出版できていたら…いいなぁ。
【好きな本】
好きな本を買いに本屋に行ったはずなのに、
その本よりも好きな本を見つけてしまい、
どっちの本を買うのか大いに迷った挙句、
結局その日はどっちも買わずに本屋を出て、
コンビニでスイーツ買ってる自分がいる。
何でだろう?