最近、相合傘という物が流行りらしい。……そもそもの話だけれど、相合傘に、おまじないの効果は存在しない。だが恋愛好きな女子達によって相合傘した相手とは絶対に結ばれるだとか、運命の相手、だとか設定がすり替えられていた。だから、雨の日には「最悪〜」だとか言っていた女子達は、逆に雨を望むようになっていたのである。
「 ……あ゙〜 めんど 」
雨の湿気で額にへばりつく髪の毛を何とか指先で整えて、学校での声とは全く違う低い声を出した。先程相合傘の話をしたけれど、現実は、角砂糖やらシロップやらを大量に詰め込んだカフェラテなんかではない。寧ろ辛すぎるくらいなのだ。だからこそ相合傘をする相手なんか居ない。
「 濡れながら帰ろ〜 …… 」
傘を忘れ、そのままセーラー服が濡れるのと共に寂しさを感じた。いや、別に、永遠に孤独な訳ではないんだろうし……と言い訳をしながら帰る。
私の相合傘の相手は「未定」。
決して 「永遠に不在」な訳では無い。
未来を考える事が苦手だ。もし、こんな人間の私が大人になったら、きっと今よりもダメダメ人間になる。一生学生を繰り返し、大人に支えられながら生きていきたい。でもそれは叶わない事で、子供の今でさえもが不安で潰されそうなのに大人になって難しい仕事を任されて叱られて泣いて泣いて泣いて死にたくなるなんて耐えられない。そうなれば私は人生に価値を見出せない。死にたくなるだけなって死ぬ勇気は湧かず、ただただこの世に留まり続ける無意味な存在になるのである。足が太くてキモくて変人でテンションが高くて人間関係が上手くなくて人の事を信用してないくせに依存しててナンセンスな私が良い大人になれるはずがないのだ。…しかも最近長文しか書けなくてなりきり界隈で長ろるしか書けないからこんな長くてきもい自分に酔った文章しか書けない……。聞いてくれよ未来の私。そっちは大変だろうけど此方も大変だからな。過去を忘れ「学生時代は楽しかったなー」なんて言ったらわたしが直々に殺しに行くからな待ってろよ
テーマ ガン無視 きめる
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《 実録 》
昔から、「性癖」という物がおかしかった。普通の人なら性癖なんて持たないくらいなのに、私は性癖を持っていて、おかしかった。私は、人の「絶望顔」が好きなのである。どうしようも無いくらい絶望に染まり切り、救いなんてない!と言った時の、あの冷や汗をかいているあの顔が……!頭がおかしいと言われても仕方がない。それに、私は希望から絶望へと染まるのも好きなのだ。先程のような救いなど存在しないと言った状況に一筋の光が通り、それを希望に頑張っていたがそれすらも打ち砕かれ、再び絶望する……。ああすてき。なんてすてき!この、私が持つような「歪んだ性癖」を、人間のバグと言い表すらしい。この人間のバグを私は隠した。それは当たり前の事だろう。だって、誰だってあんなにも変態的な気持ち悪い一面を誰にも知られたくは無いはずだから。きらきらと光る月を見ると嫌な気分になる。その月と自分との相反さに反吐が出る。月は自分で光っている訳じゃないのに。まっさらに光る「太陽」のお陰で光っているのに。なんだ、私と同じじゃないか。人がいないとなんにもできない私と。そのはずなのに、貴方は必要とされてる。どうしてなの?分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない!!!!!!!!どうせ一緒なら、変わってくれてもいいのに。必要とさせられてくれてもいいのに。
ひどいよ
今日 は 晴れ だった 。
ちゃあんと 、 天気予報 を 確認 した
から 合っている はず である 。
だけれど 、ぽた 。と 音がする 。
あれ ? と 確認 する と
天気雨 と いう もの だった 。
あぁ 、なんて 曖昧 。
『 実録 』
「あ、紫陽花だ」
梅雨の六月。余りにも、知的好奇心を持て余していた小学生の頃の話。私はその頃友達と共に通学路を歩いていた。公園が近くにあり、早い時間にすぐ帰る事が出来る水曜日等ではよく立ち寄った。その日も水曜日で、蒸し暑さに少し顔を顰めながらに、公園のブランコで休憩していたのだ。紫陽花が少し萎れつつも咲いているのを見て、友達と咄嗟にそう述べた記憶がある。血のようにも見える程綺麗な赤が映えていて、それが少し恐ろしかった。
「ね、知ってる?紫陽花が赤色から青くなったら、下に死体が埋まってるんだって」
小学生という物はこっくりさんやチャーリーさんと言った降霊術をよくやりたがる程、非現実的な事を好む物だ。だからこそ、私はあの時友達にあんな事を伝えたのだろう。友達は怖がる訳でも面白がる訳でも無く、「スン」というオノマトペが良く似合う音がない顔をしていたのだ。それが何故か恐ろしいように感じられ、あはは、だなんてわざとらしく、かつ誤魔化すように笑っていた。
「それ、絶対嘘だよお」
「ええー、そんなことないって」
嘘だ、と私の言った事を否定した彼女は、あの顔をやめていつものようにニコニコと笑う。そうだ、彼女はいつだって笑顔だった。そんな彼女があんな真顔だったからこそ恐ろしかったのだろう。雨水に濡れ、ぽたぽたと水を滴らせる花弁を見詰め、葉の上をテンポを遅くさせて歩くでんでん虫を、分かりやすく煙たがった彼女。そんな彼女はこのざーざー雨の中で、ぽつりと呟くような声量でこう述べる。これが聞こえたのは、何故かはわからない。
「これ、青くなってないもん」
それを聞いた途端、実物を見た事もないが、私の顔は、その「死体が埋められた紫陽花」のように青くなっていたのだろうと思うのだ。
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k i l l m e !
あの時は、冷や汗が止まらなくて、すんっっごく、その子に怯えましたね。その後日は、普通に接してきたんですけど私は無理で空笑いしてました。