今日はいつものように朝起きて、朝食を食べ、家を出た。
いつものように空は不機嫌で、私は舌打ちをした。
すると空は目ざとく私にだけ雨を振らし、ついでに雷で脅しをかけてきた。
それは卑怯だって
むっと空を見上げると、あいつはにやりとしたり顔で太陽を覗かせてきた。
強風が背中から吹く。早くしねえとバスに間に合わねえぞと言っている。上から目線でムカつくな。
私はひたつく制服を気にも止めず、目の前の坂を猛ダッシュする。
頂上につこうとした途端、急な暴風にあおられる。
おまっ!まぁじでさーもお!いつもだるいって!!
ケラケラケラと光の反射が辺りに飛び散った。
こいつ私で遊んでやがる。ピクピクっと目元が痙攣した。はあっとため息をこぼしもう一度坂を登ると今度は背中を押された。最初からそうしとけよな。
頂上から見る景色は虹がかけられていて、私は思わず口元が緩んだ。
ご機嫌取りかよ
空は穏やかに雲を流していた。さらっと頬を撫でる風は感じのいい清涼感だった。
私は下り坂を駆けて、いつものようにバスに遅れた。
.平穏な日常
世界に一つだけの花があるらしいので、それを取りに行こうと思い、馬と旅に出ました。
しかし、みんな同じことを思っていたのか旅路はとても賑やかなものでした。
あるグループと一夜を共にした時は荷物が重そうだったので全部馬に乗っけてあげて、僕が花を見つけた時に返そうと思いました。
同じく1人旅だったダンディな老人とつるんだ時は、いつものように寝てる間に荷物を運んであげようとすると、急に床ドンをされてしまいました。
慌てて万が一のために準備していた香辛袋を投げつけて、なんとか馬と遠くまで離れることが出来ました。ちらっと見えた老人の二の腕の刺青は、2本の刀剣がクロスした上にバラの紋様が刻まれていました。
バラは確か王の家紋だったはず。じゃあ守るようにクロスしていた刀剣は───
グガンッ
急に世界が反転して体が地面に叩きつけられた。
これまで感じたことのない激しい頭痛と、何故か鼓動も早くなって段々意識が遠のいていく。
やっと見つけたわい。
罪人さんよ、これで牢獄送りにできるってもんだ
ついでに持ってた6人分の花も回収させてもらうわ
おっと危ねぇ貴重で新鮮な花を踏んじまう
怖ぇわ怖ぇわ血を吸収して育つ花なんざ
こいつの色はちいと気色悪ぃ。罪人だからかあ?
でもこれで救われる命もあるってことにゃあ感謝しねえとな
.愛と平和
いただきます
パンっと軽快な音を立てて、まずは胃酸のスープから。ビリッと酸の刺激が食堂を通って、彼女にビリビリペンを仕掛けられたドッキリの日を思い出した。あの時は婚姻届を書こうとしたんだっけ。
お次は大腸のウィンナーを梅肉と一緒に葉野菜でくるむ。少しの皮の反発を噛み切るとジュワッと中に詰めたミンチが肉肉しかった。
初デートでホットドックを食べてウィンナーを落としたな。彼女が吹き出して、恥ずかしかったけどちょっと気が緩んだんだよな。
.過ぎ去った日々
今日も瞬きしていいってよ!!!
ズザザアっとドアの前をスライドしながら男子生徒が興奮した声で登場した。
年に一度であるはずの一大イベントが昨日と今日で二度あるということに驚きと喜びの歓声が上がる。
おおーい電気消せー
担任がやってきて一斉に暗くなった。すると待ってましたとばかりにバチンバチンと音が鳴り始める。そこかしこに星が舞う。大小色とりどりの星たちが火花を散らすように四方八方へ跳ぶ様子がみんなのバイブスを上げていった。
先生ぇなんで今日も許可されたのー?
先生も知らん!こういう日もあるってことだろ
いつの間にか外の空モニターまでもが夜仕様になっていて、家々の窓から点々と光の粒が浮かんでいく。昨日も見たその光景に、また目を奪われる。
バチバチバチバチと目の前の光景へ高速の瞬きを送った。それに合わせて風景の粒たちも増えていく。
いつの間にか星の絨毯が出来上がった夜空をみんな見上げていた。年一度であるはずの昨日に引き続きまさかの今日という日を噛み締めながら、私は毎日瞬き出来たらいいのにと願った。
.たまには