Open App
11/14/2022, 2:38:18 AM

また会いましょう

電話を切るのが苦手だ。「また電話するね」「うん、こっちからも連絡する」のくだりを、バリエーションをつけながら5回以上は繰り返してしまう。
実際に会って別れるときは、「またね」と1回言葉を交わしてくるりと踵を返せるのに。

11/11/2022, 8:30:14 AM

ススキといえば「吸坂焼武蔵野皿」という皿がある。
上半分に濃紺の瑠璃釉、下半分が茶色い柿釉がかけられた丸い皿。瑠璃釉部分には丸く白い円が釉薬をかけずに白く残されている。

柿釉の部分をススキ野、瑠璃釉の部分を夜空に、そして白抜きされた丸を月に見立て、ススキと月の歌枕である「武蔵野」と名付けられている。
単純な色の組み合わせから秋の夜が想起される素敵な品だ。ぜひ検索してみてほしい。

11/10/2022, 6:44:39 AM

脳裏

ふと脳裏をよぎる思い出に怯えながら暮らしている。留学先で誰とも仲良くなれなかったこと、上司からのメールにあった刺すような言葉、もう会えない人を傷つけた記憶。
光が差せば影が伸びるように、幸せなはずのさなかに暗い思い出がよぎって足がすくむ。
(「消えてなくなりたいという気持ちは、心が身体を休ませようとしているから起きるのだ」とよく本には書いてあるけれど、じゃあなぜ辛い思い出ばかりを反復して何度も傷つくのだろう?)

11/9/2022, 1:14:39 AM

意味がないこと

少しでも手持ち無沙汰になると、文字情報でそのすきまを埋めようとしてしまう。

文字情報の種類はその時の残りMPによって異なる。
MPがそこそこ溜まっていれば小説(最近はソン・ウォンピョン『プリズム』)、なければSNSやマンガアプリの類だ。
後者は止め時が分からず、読めば読むほど脳内にこまぎれの呟きや1話をさらに半分に割ったマンガが溜まっていって消化不良を引き起こす。
一貫した物語が読みたい。気持ちはそう思っているものの、スマホを持つ指は機械的にスクロールを続けていく。ファストフードみたいな情報摂取。

とはいえ、それを続けてしまう自分を責めることが本当に「意味のないこと」なのかもしれない。ファストフードも胃がもたれるとはいえ、何らかの栄養をもたらすことに間違いはない。実際飽きるほどSNSを見て少し眠れば、また小説が読めるレベルまで回復する。その過程のさなかに自分を責めれば、それでまた溜まったMPは消費されてしまう。
やけ食いする自分を止めず、でも浮上するチャンスがあればそれを掴む。毎日その練習を続けている。

11/8/2022, 8:34:14 AM

今日久々にスーツを着た。仕事を休んでから5ヶ月ぶりだ。

鏡の中の自分は、当たり前だけども日々職を持つ人に見えた。もし、あの時休まなかったらきっとこんなふうだったろうと思えるような。
現実の私はずっと水底に漂っているけど、鏡に映るあなたは当社比ぱりっとした姿に見える。私もいつか、そんなふうな皮を被ってまた社会に出ていけるのだろうか。

Next