弥梓

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5/5/2026, 4:26:35 PM

『君と出会って、』


君と出会って、世界が変わった。
僕の中にあったもの、僕を僕として形作っていたものが、全て君へと姿を変えた。

5/5/2026, 9:32:12 AM

『耳を澄ますと』

※百合


朝は嫌いだった。
気持ちよく寝ているのに、目覚まし時計の音で強制的に目を覚まさなきゃいけないのも、暖かい布団から出なきゃいけないのも、食欲もないのに朝ごはんを胃に詰め込むのもつらすぎて。
でも、あなたと一緒に暮らすようになってからは、リズミカルに包丁がまな板を叩く音で目が覚める。
耳を澄ますと、歌が聞こえてくる。流行りの歌だったり、懐かしい歌だったり、時にはあなたが適当に作った即興の歌が聞こえてくることもある。
それを聞くと、早く起きて手伝わなきゃ、と自然と目が覚めて、体を起こすのも苦じゃなくなった。
私が朝が苦手で料理もそう好きではないことを知っているあの子から、料理は好きでやってるから出来上がるまで寝てていいよ、と言われたこともあるけど、あの子の隣に立って料理をするのは好きだから、足手纏いかもと思いつつも手伝わせてもらっている。
寝室を出ると、扉を開けた音を聞いたあなたがキッチンから
「おはよう」
と声をかけてくれる。
それだけで私はあんなに大嫌いだった朝が今では大好きだ。

4/30/2026, 6:27:38 PM

『楽園』

※BL 二次創作 セリフのみ

「一緒に地獄に堕ちないか?」
「勝手に一人で堕ちてろ」
「つれないなぁ。こういう時は、例え地獄でもお前さえいればそこは楽園だ! とでも言って愛を深め合うのが恋人たちのセオリーじゃないか」
「お前と恋人とやらになった記憶はまったくないから、オレには関係ない話だな」
「相変わらずこっちの方もつれないなぁ。いい加減恋人になってくれてもいいのに」
「期限付きの都合のいい相手、の間違いだろ」
「期限?」
「お前…、ここに骨を埋める気はあんのか?」
「この街は面白くて好きだけど、まだまだ行きたいところはたくさんあるからなぁ」
「結局、お前が旅立つまでの間ってことじゃねえか」
「ああ、なるほど、そういうことか。それなら心配いらないよ。旅は君も連れて行くから」
「は?」
「君を連れて行くことはもう決めてあるから、旅立ちでお別れ、なんて心配はなくなったな。これで心置きなく僕の恋人になってくれるってことでいいのかな?」
「良いわけあるか! 旅の話も初耳だぞ!」
「そりゃあ、今初めて話したからね」
「同意もしてないのに、それでよく決定したとか言えるな」
「旅を辞めることはできないし、君とも離れたくない。そうなると答えは一つしかなくなるからね」
「野宿が基本の旅なんざ、誰が行くか!」
「野宿だって慣れれば楽しいんだよ。それにほら、僕がいれば地獄だって野宿だって楽園になるからね」
「その自信はどっから湧くんだ」
「きみが僕にだけ特別優しいところ、かな。きみが相当僕のこと好きなことは分かっているんだ。そうしゃなかったら、流石の僕だって無理矢理旅に連れて行くなんて考えないよ。僕ときみが二人一緒にいること以上の幸せなんて、きっとないよ。だから、色々諦めて、僕と一緒に楽園へ行こう」

4/28/2026, 6:15:46 PM

『刹那』

※BL 二次創作

二十二年歳の時あいつと出会った。あいつと過ごしたのはたった数ヶ月にも満たない時間だったが、鮮烈な赤をオレに植え付けて、あいつは消えてしまった。
あれから三十年の時が過ぎた。
長年の傭兵生活での無理が祟って、体はボロボロになっていた。
自身の命の燈が消えかかるのを感じる。
死への恐怖はもうなかった。あれほど渇望していた生き残ることへの喜びも。
死を目前にしたオレの心は穏やかに凪いで、やっと終わるのかと安堵すらしていた。
死ぬなら戦いの中で死にたいと思っていたが、どうやらそれは叶わなそうだ。
ベッドの上に横たわるオレの周りには、大小様々なガキどもがいる。どいつもこいつも辛気臭いツラしやがって。
「ルーカス」
「先生……」
戦場で拾った孤児を何の因果かオレが面倒見ることになり、たまたま訪れた孤児院で後任の神父が見つからないからと、無理矢理おしつけられ、いつのまにかガキどもに『先生』などと呼ばれるようになってしまった。
ルーカスを助けたのも、哀れなガキを見捨てられないなんて善人ぶった理由ではなく、お前だったらそうしただろうと思ったら、勝手に体が動いていただけだと言うのに。
まったく忌々しい男だ。
オレの六十年に満たない人生の中の、ほんの刹那の瞬間しか共にいなかった分際で、オレの一生を支配しやがった。
「お前がいればここは大丈夫だ」
「はい。がんばります。先生、本当にありがとうございました。先生に助けてもらわなかったら私は」
「最後に湿っぽい話してんなよ。オレはやりたいことはやりきった。人生に未練はないからな。それに、これでやっとあいつに会える」
「前に話していた……先生の初恋の方ですね」
初恋。そうだ、確かに誰かにこんな気持ちを抱くのはあいつが初めてだった。
初恋を三十年も引きずって、死後の再会まで夢見てるとは笑い話もいいところだが、オレは本気だ。
目が霞んで視界が真っ暗になる。
オレの手を握っているはずのルーカスの温もりが感じられなくなり、何も聞こえなくなった。
薄れゆく意識の中、懐かしい柔らかな笑顔がオレの名を呼んだ気がした。

4/27/2026, 10:47:51 AM

『生きる意味』


子供の頃からずっと憧れていたものがあった。
そのために他に諦めたものは少なくなかったけど、後悔は何一つなかった。その夢は僕の人生そのものだから。
今でもその夢を追いかけ続けている。
でも、きみと出会って、一番大切なものがきみになってしまった。
きみさえいれば、他に何もいらない。きみか夢か、どちらかを選ばなければならないのなら、僕は迷わずきみを選ぶ。

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