お題が出るたびに、頭をひねっては書いたり消したりを繰り返して、言葉を紡いでます。
文章を書くことにいつも時間はかかるし、伝わるかどうか不安になりながら投稿しています。
それでもいいねがつくと嬉しくなって、他の方の素敵な文章に感動して、書くことが励みになってます。
私の夢は小説家になることです。
家族にも友達にも言えないし、素敵な文章が書けるわけでもないけれど、応援してくれる方がいる限り書き続けようと思っています。
「夜の音楽室で、時計の針が全部10を指したときにジャンプすると異世界に行けるんだって!」
「はぁ?」
「今日の夜、一緒にやってみようよ!」
「いやだよ、私やりたくない」
「そんなこと言わないでよ〜、異世界だよ?魔法が使える世界とか行ってみたいじゃん!」
「ばっかじゃないの、あるわけないよ」
「私も本気で行けるとは思ってないけど、肝試しがてらやってみよ?」
夜の音楽室に、二人の好奇心旺盛な少女が来ていた。懐中電灯を手に持ち、きゃあきゃあ騒いでいる。
二人は手を握ると、音楽室の真ん中に立ち、時計を懐中電灯で照らしていた。
時計の秒針が一秒ずつ動くのを彼女たちは見つめて、ちょうど10に全ての針が重なったとき、二人は勢いよくジャンプした。
地面に着地しようと、足が床に着きそうになった瞬間、二人が立っていた床は底の見えない闇が広がっていた。二人の足が、床に吸い込まれるように消えていき、一瞬のうちに二人の姿が闇に飲まれていった。
懐中電灯すらも飲み込まれて、部屋には静寂が広がり、時計が秒針を刻む音だけが響いていた。
二人が立っていた床から赤黒いしみが浮かび上がっていた。
何気ないいつも通りの土曜日。
私の部屋には友達が遊びに来ていた。
いつものように、ドラマの話や、かっこいい男の子の話をして過ごしていた。
ふと会話が途切れて、彼女と目があった。
その時の君があまりにも可愛くみえたものだから。
どうしても気持ちが抑えられなくなってしまった。
気がつくと私は彼女の唇に自分の唇を重ねていた。
驚いた彼女が言葉を吐き出そうとしていたが、私の唇で塞ぎ込み、激しく長いキスを続けていた。
唇を離すと彼女は顔を赤く染めて、私と目が合わせられないようだった。そんな彼女がまた可愛く思えてしまって、唇を重ねた。
朝も夜も存在しない暗闇の中で、俺は見せ物のように体は磔にされ、地獄の業火に焼かれ続けていた。
俺はとある国の王だった。
国民から搾り取った金で贅沢の限りを尽くし、美人な女は親元から引き離してひどくいたぶり、逆らうものは一人残らず殺してきた。
そんな俺への罰なのだろう。
俺が死んでから数百年が経っても、俺の悪事は歴史として残り、新入りは皆、俺の顔を見ては蔑んだ目で笑う。その度に腹の底から怒りと同時に後悔が込み上げくる。
そんな俺を見て閻魔大王は「馬鹿にされないと後悔できないなんて、あと1000年焼いとくかぁ」とため息混じりに言った。
様々な国を旅をしてきた僕は今、病室のベッドで横たわっている。
瞼の裏には、旅の途中で出会った人々の笑顔や優しさが、アルバムをめくるように浮かび上がっていた。
これこそが僕の人生の財産だった。
薄れゆく意識の中で思い出のアルバムを閉じるとき、僕は最後の呼吸を終えた。