「無垢」
無垢・・・煩悩から離れて、けがれが無いこと
まあ、私にはあまり縁のない単語だ。無垢な人にも滅多には会えない。
(無垢の巨人ならよく知ってるけど)
でも、無垢な人になりたいとも思わない。
だって、煩悩がひとつもない人って少しつまらないと思う。
私は煩悩まみれだから、たまに純粋な子供たちから、癒しという生気をもらっている。
その時は、私も純粋なのではないかと思ってしまう。
(勘違いも甚だしい。)
無垢な人に会ったら、めっちゃ煩悩まみれに生まれ変わらせてあげたい。
まあ、冗談だよ。
「月に願いを」
「月に」ときたら、「代わってお仕置きよ」って言いたくなる
全然お題と関係ないけど。
いや、少しはあるけど。
誰かわかってくれこの気持ち。
私は月にそう願った。
「逃れられない」
バレー部として最後の試合、
自分のチームがデュースという時に、エースである私にサー
ブが回ってきた。
私がサーブを決められればこの試合に勝ち、ミスをすればまたギリギリの戦いが始まる。
別にミスをしてはいけない訳では無い。
失点をしてもまだ次がある。
けれど、今まで、ここだというところで決めてきたし、
メンバーからの信頼もある。
それに、3セット目でみんな集中力も体力もギリギリだった。
練習ではミスをほとんどしない私も、さすがに緊張がはしる。
誰か変わってくれないだろうか。勝ちたい。けど怖い。
しかし、もう逃れられない運命。
別に無宗教ではあるが、今は全世界の神様に祈ろう。
「お願い、決めて!私!」
そう小さく呟いて、主審の笛の合図とともに、私はサーブを打った───。
「忘れられない、いつまでも。」
あの日、おばあちゃんにあんなこと言わなければ...。
小さい頃に、おばあちゃんを言葉のナイフで傷つけたことがある。
それは、とてもとても尖っていて、人を悲しませるには簡単に切れてしまう、切れ味のいいナイフだ。
その時の記憶だけは今でも鮮明に覚えている。
自分への戒めなのか、「忘れられない、いつまでも。」
おばあちゃん、傷つけてごめん。
「初恋の日」
私は今、目の前で、恋が生まれる瞬間を見ている。
とても初々しくて、周りにいる知らない人達もなぜかその2
人をくっつけようと、一致団結していた。
羨ましさと、貴重な瞬間を目にしている嬉しさでどうにか
なりそうだった。
2人は、まだ誰とも付き合ったことがないらしい。
まさに奇跡だ。
目も合わせられず、ソワソワしていた。
可愛い。そう思ったことは2人には内緒だ。
この日を初恋の日と呼ばずしてなんというのだろう。